安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(市民連合)と、総がかり行動実行委員会は18日、森友疑惑の徹底追及、安倍内閣の総辞職を求めて、東京・新宿駅西口で大街頭宣伝を実施した。歩道や駅ビルをつなぐ陸橋まで4000人を超える聴衆であふれ、「安倍内閣は退陣を!」と書かれたプラカードを掲げてアピール。野党4党の代表、市民の訴えに「野党はがんばれ」「徹底究明を」との声援が飛び交った。
みなさん、こんにちは。日本共産党の志位和夫です。
森友公文書改ざん事件に対する国民の怒りが沸騰しています。国民の怒りの声と野党6党の結束の力で、一歩一歩、政府を追い詰めてきています(拍手)。佐川前理財局長の証人喚問まであと一歩です。19日の参院予算委員会で議決して、すみやかに実施しようではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
みなさん。公文書の改ざんとは、どういう性格の問題でしょうか。公文書は主権者である国民のみなさんの知的共有財産です。公文書管理法の第1条にはっきり書いてあります。それを改ざんすることは、まず何よりも、主権者である国民を欺く行為と言わなければなりません(「そうだ」の声、拍手)。こんなことがまかり通れば、国民が政府の行為を検証し、監視することが、およそ不可能になってしまいます。これは、憲法の一番大事な原理である国民主権を破壊する行為ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
さらに、政府は、改ざんされた文書の線で、国会答弁を繰り返し、改ざんされた文書を国会に資料として提出していました。行政府が立法府を1年にわたり欺き続けてきた。こんなことがまかり通ったら、まともな国会審議は成り立ちません。政府が出す資料について、「この資料は改ざんされたものですか、まともな資料ですか」――いちいちこんなことをただしていたら審議になりません。(改ざんは)議会制民主主義を破壊する行為ではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
森友公文書改ざんは、憲法に明記された国民主権と議会制民主主義を壊す歴史的犯罪行為です。絶対にあいまいにするわけにはいかない(拍手)。徹底した真相究明と責任追及によって、日本の政治に民主主義を取り戻そうではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
誰が、誰の指示で、何のために改ざんを行ったか、このことを徹底的に究明する必要があります。
政府は、佐川氏一人にすべての責任をかぶせて逃げ切る魂胆です。そうはいきませんよ(「そうだ」の声、拍手)。役人が、犯罪行為になり得るような公文書改ざんを「自発的」な意思で行うことがあり得ますか。あり得ないではありませんか。
前川前文科省事務次官がTBSの番組で、「公文書の改ざんなどということは、『いいからやれ』と誰かが言わないと、通常の国家公務員の神経じゃできないことだ」と言われている。誰が考えてもそう思います。「いいからやれ」と誰かが言ったのか。どんな政治的圧力が働いたのか。これこそ究明しなければならないことではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
改ざん前の文書は何を示しているでしょうか。安倍首相は、「書き換え前の文書を見ても、私や妻が関わっていないことは明らかだ」と弁明しています。これはまったく成り立たない(拍手)。改ざん前の文書は、この森友案件が、「首相案件」「安倍案件」であるということをはっきり語っているではありませんか。(拍手)
改ざん前の文書には、首相夫人の安倍昭恵さんが現地を視察し、「いい土地ですから、前に進めてください」と語ったと、森友側が近畿財務局に伝えたことが明記されています。それを契機に、特例的な貸し付けに向けて事態が動いたことがはっきり書いてあります。安倍首相は、「妻に聞いたら、『そんなこと言ってない』とのことだった」と答弁しました。しかし、そんな間接話法を、誰が信じますか(拍手)。昭恵さんは、やましいところがないなら、国会に出てきて直接話法で話すべきではないですか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
さらに、改ざん前の文書には、森友学園の籠池理事長が日本会議の関係者であり、安倍首相が日本会議国会議員懇談会の副会長であることまで、わざわざ書いてある。
首相は、「私や妻が関わってない」というけど、改ざん前の文書は、この案件が、文字通り安倍首相夫妻が関わった特別の案件――「首相案件」「安倍案件」であることを詳細に語っているではありませんか。(大きな拍手)
それでは、改ざんの目的は何だったか。政府は、改ざんの責任を佐川氏一人に押し付けるために、「佐川答弁に合わせて書き換えが行われた」と言っています。しかしこれは、事実に反する悪質なミスリードです。
昨年2月17日の安倍首相の答弁――「私や妻が関係していたなら首相も議員もやめる」。あの答弁こそ改ざんの出発点ではないですか(「そうだ」の声、拍手)。あの答弁に合わせて改ざんを行ったというのがことの真相ではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
2日前(16日)の参院予算委員会で、このことを野党議員、わが党の辰巳議員が問いただすと、理財局長は否定できなくなりました。「安倍案件」「首相案件」であることを隠蔽(いんぺい)するための改ざんだったというのが、ことの真相ではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
疑惑の本丸は首相夫妻の関与です。
佐川さんはもちろん、昭恵さんにも出てきてもらおうじゃありませんか(拍手)。当時の理財局長の迫田さん、首相夫人付の職員、関係する方にすべて国会に出てきていただいて、真相究明を徹底的にやろうじゃありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
私たちは、真相の徹底究明を通じて、安倍内閣を総辞職に追い込む、この決意でがんばりぬく決意であります。(「がんばれ」の声、大きな拍手)
最後にみなさん。前川前文科事務次官を講師に招いた中学校の授業に、文科省が異常な圧力をかけていたことが明らかになりました。教育基本法には「教育は不当な支配に服することなく」と書いてある。これは戦前の軍国主義教育が、多くの子どもたちを戦場に駆り立て、命を奪った、その痛苦の反省のうえに書かれた一文です。文科省がやったことは、まさに「不当な支配」以外の何ものでもないではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
みなさん。安倍政権の下で、政府は危機的な状態です。南スーダンPKOの日報を隠蔽した防衛省、裁量労働制に関わるデータをねつ造した厚労省、森友公文書を改ざんした財務省、前川氏の授業に無法な圧力をくわえた文科省――役所がみんな危機的です。安倍政権の強権政治の「毒」が、政府全体に回っている。日本の民主主義が危機に陥っています。
もはや一刻の猶予もなりません。市民と野党の共闘の力で、安倍政権を倒し、日本の政治に民主主義を取り戻すために、全力を尽くして頑張りぬくことを申し上げて、私の訴えとします。ありがとうございました。がんばりましょう。(歓声、大きな拍手)