玉木雄一郎「希望の党」代表は3月13日、衆院内で定例会見を行った。
それでは、まず冒頭、森友学園への国有地払い下げに関する決裁文書の改ざん問題についてでありますけれども、公務に対する信頼を著しく損ねたということで、大変深刻な問題だと改めて思います。統治機構の在り方そのものに対する信頼が揺らいだということでは、本当に歴史的な汚点だということを改めて感じます。まだまだ不明な点が多いと思います。特に、誰が指示をしたのか、なぜこのような改ざんをしたのかという疑惑の根幹に関わるところがまだ不明だということは問題だと思いますので、引き続き誰が何の目的で行ったのかという基本的なところがまだまだ不明ですので、こういったところをしっかりと真相究明を求めていきたいと思います。
ただ、今、財務省の中では人事部局がこれを担当しているということでありますが、内部の調査でどこまでそれが明らかになるのか疑問を感じざるを得ません。加えて、改めて発表された文書を読んでみましたが、やっぱり始まりは昨年2月17日の安倍総理の発言ではないかと思います。佐川長官の答弁に合わせる形で文書を改ざんしたという、これまでの麻生大臣の発表ですけれども、そもそもその答弁自体も総理の発言に合わせる形で、本来なすべき答弁が変わった可能性があります。つまり、総理の発言を受けて、答弁の方針と、それに合わす形で文書の改ざんと、これが同時に決定され、行われたと考えるのが自然だと思いますので、そうした総理の発言に合わせた答弁方針の決定というのは、理財局だけではなくて、内閣官房や総理官邸も含めて判断すべき内容だと思いますので、理財局以外の関係者も本件に深く関わっていたと考えるのが当然でありますので、理財局の一部の職員が関わっていたという麻生大臣の説明は、とても納得できるものではないと思います。
併せて、今回の件を改めて見てみると、役人道といいますか吏道の廃れというものを強く感じます。私自身も大蔵省、財務省で働いておりましたので、入省したときに特に言われたのは、政治家と対立することはよくあると。しかしそのときには、政治家が間違ったことを言えば、自分の首が飛ぶことも覚悟して正しいことを言えというふうに当時は教育をされました。しかし、今回のことを見ていると、確かに強い政権にお仕えするということで、いろいろなことを苦労の中でやったのかもしれませんが、政府・与党に対する間違った協力の仕方をしているのではないのかということを感じざるを得ませんし、その意味ではこういった役人道、吏道の廃れということを感じますので、これからの官僚組織の在り方、政と官の在り方ということについても深く、強い懸念を持っております。ですから、わが党としては、望ましい政と官の在り方についての検討を行っていきたいと思いますし、内閣人事局制度を含め、こうした問題の背景にある制度的な問題についてもしっかりと取り組んでいきたいと思います。
政と官というのは上下の関係に思われがちですけれども、そこは役割分担だと思っていますので、役人として超えてはならない限界を今回は超えたのかなと思いますし、そもそも憲法15条では、公務員は全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではないということが書かれておりますので、公務員といっても安倍官邸や安倍総理夫妻の利益のためだけに働くようなことがあってはならないし、今回のことが、もしそういうことが背景に行われていたとしたら非常に大きな問題だと思いますので、そういった点も含めて、事実関係をしっかりとわれわれとしても調査をしていきたいと思いますし、まずは政府の側で、先ほど申し上げたような基本的な事項でまだ不明な点、つまり、誰が、誰の指示で、何の目的でこうした大規模かつ悪質な改ざんを行ったのか、このことを政府には速やかに明らかにしてもらいたいと思います。
私からは以上です。
【France10及川記者】3点お伺いいたします。まず森友問題で、麻生財務大臣の辞任を求めるのか、安倍内閣の総辞職を求めるのか、安倍晋三氏の議員辞職まで求めるのか、それとも3点全部なのかというのが1点。あと、おとといで東日本大震災から7年になりましたが、そのご感想。3点目が、トランプさんと金正恩さんが会談をするようですが、それに対する感想、以上3点をお伺いできればと思います。
【代表】責任については、もうこれまでも申し上げているように、やはり佐川長官には少なくとも責任があるということを麻生大臣が認めており、懲戒処分もしている以上は、上司たる麻生大臣の責任は免れないと思います。加えて、きのう出てきた改ざんの内容を見ますと、やはり安倍総理、総理夫人、資料の中でも現に出てきておりますので、こういったものをしっかり調査する中で、やはり何らかの関与があるということがあれば、当然、安倍総理、そして安倍内閣全体の責任が問われる問題だと思っています。
東日本大震災から7年がたちましたけれども、福島県、そしてまた岩手県に視察に行きましたが、復興のスピードに非常に差があるなというのが正直な実感でありまして、進んでいるところは進んでおりますけれども、まだまだこれから復興住宅、住宅の土地の造成がこれから始まるというところもありますので、その地域の事情に合わせた柔軟な対応が必要ではないかなということを強く感じました。引き続き被災地にはしっかりと寄り添っていきたいと思います。
米朝会談でありますが、これは緊張緩和に向けた動きということで評価をしたいと思いますが、一方で、拉致問題など日本固有の課題についてこういった米朝会談の中で進展が図れるのかどうか、まだ予断を許さないところがありますし、核開発については、単にそれをフリーズ、とどめるだけで、既にもう弾頭化あるいは小型化といったことが行われているとも言われていますので、単に核開発を止めるということでは日本にとっての脅威は全く変わらない状況です。米朝会談が行われることは望ましいと思いますが、日本にとっていい形になることが必要だと思いますので、日米の連携をしっかりと深めていってもらいたいと思っています。
【France10及川記者】2点、お伺いします。次の参議院選挙、総選挙に向けてどのように候補者を擁立していくのか。例えば総選挙ですと、東京だけでも、東京6区は香川の方が出たり、東京7区は熊本の方が出たり、八王子のところは大阪の方が出たり、あるいは青梅のところは山梨の方が出たりと、地元と縁もゆかりもない方が前回総選挙では出られたと。候補者擁立、今後どうしていくのかということが1点。
2点目が、以前、総支部長の選定についてご質問したときに、総合的に勘案して選定を進めていくということでしたけども、落選した170名以上の方に聞くと、去年落選した方々の会議、11月に行われたそうですけども、そこでも同じような回答で、結局一歩も進んでいないと。そういう路頭に迷っている人たちを総支部長に、今後どれぐらいのめどでつけようと思っているのか、以上2点伺えればと思います。
【代表】今も引き続き選定作業は進めておりますし、先般もそうした選定を行ったところです。参議院選挙に向けては、そういった総支部長の選任をまず行うことと併せて、他の野党ともしっかり連携をして候補者発掘、候補者調整を行っていきたいと思っています。