2018年3月6日、「自由党」小沢一郎代表・山本太郎代表 共同定例記者会見が行われた。
小沢一郎代表は冒頭で今回の財務省「森友文書」ねつ造疑惑について
「野党が結束しさえすれば,もっともっと早く,韓国の前大統領のような形で安倍内閣に終止符を打つことができただろう。 ここまで真実が分かってきた以上,野党各党,力を合わせて,このような安倍内閣の存続を許すべきでない。 野党各党が力を合わせば必ず結果が出る」
と今後の取り組む課題として見解を示した。
記者質疑
【France10、及川局長】
「3.11から日曜日で7年になる。 両代表に,その感想を。
山本代表に、 連合会長が All for All に心酔して野党の結集の政策にしたいと仰っていて,各野党,玉木(希望の党)代表,大塚(民進党)代表,増子(民進党)幹事長は All for All を大変評価している。 枝野(立憲民主党)代表だけが,財政規律の面でガチガチ過ぎるので全面的には受け入れられないと回答されている。 そこで改めて各野党に All for All の政策の問題点について解説いただきたい。」
【小沢 一郎 代表】
「もうすぐ私も地元へ戻る。 7年目になるわけだが、復興は,地元の皆さんの努力で進んではいるが、道半ばのような状況。
政府としては,もうこれで終わりにしたいという意向が見えるようになってきて,その意味においては何とかさらなる復興への道筋をきちんとしていきたいと思っている。
あのときに,私を取り巻く状況も,政治活動を十分になし得ない状況であり、それを民主党政権のなかに反映させられなかったが、ああいうときこそ我々が主張してる補助金の全面的な地方への交付金化、時限でもいいから、やったほうが良いという思いでいたが、それもできずに結局、復興庁という役所だけを作って、あとは今までの各省の補助金行政のままということで、それも非常に復興を遅くし、または地元の感覚と中央省庁との、いわゆる溝が,あるいは距離が、出てしまっているということにもなったわけで,そういう意味で残念だ。
いずれにしても自分自身の地元のことですので,さらに,知事を先頭にしながら 住民生活の復興改善に取り組んでいきたい」
【山本 太郎 代表】
概念自体は素晴らしいと思うが、問題は、財源であり、 財源はおそらく消費税で語られているのが,いちばん偏りがある。
憲法25条に基づいた生存権さえも奪われかねないような状況に追い込まれている方々が多数いるなかで、消費税が財源ということ自体が,非常に危険だ。
民進党に言うわけではないが、ほかにも税の取り道というのは,いっぱいあるのに、勘違いしている。
過去最高益を上げている企業もあるし、金融資産はこの数年で何百兆も増えて、金融資産の所得への課税が分離されているという部分にもメスを入れることができる。
それだけじゃなく,財源として考えられるのは,中央銀行があるわけだから、お金を刷るという行為ができる。
なかなかでデフレからインフレにならないのは,財政出動がほとんどなされていないということ。
この20年間で見ても,日本で政府支出の伸び率はおそらく10%程度ぐらいだが、政府支出が萎んでいけば,当然それだけ成長の機会が失われていく。その方法を使いながらオイシイ思いをしている一握りの人たちがいる。
財源とすべきものは非常に多様にあるなかで,財源は消費税しかない という考え方の下 All for All ってことになると,逆進性が強いなかにおいて,収入が少ない人たちにとっては非常にシンドイ話になっていくだろう。
震災から7年。
原発,被曝という問題に関して一向に進んでいない。 どちらかと言うともう後退し続けている。 事故原発,現在進行形の話にもかかわらず,その真相の究明もなされていないにもかかわらず、どんどん再稼働させていこうという、ほんとうにもう狂気に近い状態だと思う。 正気とは言えない 。いつ来るか分からないけども、これから大きな地震が必ず来るであろうとされている。 南海トラフ,東海地震,首都圏直下,ということを考えるならば,やっぱりエネルギーの転換が必要。 エネルギーの転換期にもかかわらず、これをゴリ押ししようとする状況がほんとうに非常に恐ろしい。
それに加えて原発政策を進めていく上では、原子力の事故による影響は「ない」という方向にどんどん持って行かれる。 いろんなことを含めて非常にこの7年のあいだに,原子力被曝のことに関しては大きく後退して行っている状況だと,ここを何とか変えたいという思いは変わっていない。
【ゲイレポーター・酒井 佑人 (27) 】
山本代表に。 女性専用車両について。 任意の協力であり旅客営業規則のなかにも書かれていない。 痴漢がいたということではないのに,男性が女性専用車両に乗っていたところ 「降りてください。男なのになぜ乗っているのか」 など外見だけで判断され女性陣から排除されるという事件があった。 枝野幸男氏にはLGBTの人権を含めて質問したが,どのようにお考えかを。 満員電車の現状だが,利用者同士が苦しんでいがみ合い,対立が起きているにもかかわらず,なぜ一方だけ優遇するのか,なぜ政治家は対立の原因を取り除こうとしないのか。 なぜその問題に小池(百合子)さんの支持者は取り組まないと思うか。
【山本 太郎 代表】
非常に難しい問題で、ちゃんと考えたことがなかった問題だが、たしかに女性は想像しただけでもハラスメンタルな場面に出会う確率は高くなると思う。 特に満員電車のなかで痴漢行為に遭ったりすることから守るのは必要なことだが、 ビックリするぐらい混んでるなかで片方の性だけが守られるというのは、ちょっと不平等じゃないかと感じる人もたしかに存在するんだろう。すぐに答えが出せないのは申し訳ないが,これは、小池さんが言ってた「二階建て電車を走らせる」みたいなハチャメチャな話かトンデモナイ長さの電車を走らせるとかホームからはみ出しているような話になったりとか〈笑〉
解決方法は「働き方」しかないんじゃないかなと思う。皆が同じ時間に出勤しなけりゃならないような今の状況を改善していくというようなことがいちばんの道であると考える。フレックスということをもっと広げていく。もう一方で女性専用車両という考え方に関しは,被害が多いことを考えると,一定必要だが、おそらく質問されてる趣旨としては,もう1つそこにほかのジェンダー問題もある。
そこに関してどういう解決策と言うか、どういう問題点があるかということを,また後ほどゲイレポーター酒井佑人(27)さんの方から教えて頂きたい。
【FRANCE10、及川局長】
東京新聞の論壇時評に中島岳志・東京工業大学教授が書いているが,他国から侵略されて個別的自衛権を発動した場合,それは戦争になる,戦争になると国際人道法としての戦争犯罪が生じる。 しかし今のところ,自衛隊の制度では戦争犯罪を扱う法体系が整備されていない。 今後,軍の司法制度をどうしていくべきかとお考えか。(2点目)ジブチに自衛隊を派遣している。〔 自衛隊の事実上の唯一の海外基地 〕裁判権をジブチ政府に放棄している状態について,どうお考えか。
山本代表に。 イタリア総選挙が行われて中道右派連合が最も優勢だが 「五つ星運動」 が第1党になった。 山本代表が昨年「五つ星運動」の政治家と会われての感想と,イタリア総選挙の結果について。
【小沢 一郎 代表】
軍の司法制度については,できるだけ早い機会に整備されるべきだ。
ジブチであれどこであれ,私の議論は,国連の決定と指示に従って自衛隊は活動するということ。
【山本 太郎 代表】
海外もしくは国内において自衛隊に何かの過失があったときに、それを裁く裁判所,憲法上,特別な裁判所は設けないっていう話だ。
例外があって,それは東京高裁のなかに知財裁判所が作られている。
ということは 憲法上では認められてないけども,そういうような形も取れるのであれば,憲法を変えなくても,そのような方法で,あとは自衛隊法の中身を変えるということで,対応はできなくもない。
「五つ星運動」の方々が今回政権に加わる可能性がある。 先日お会いしたときに話したときには、「五つ星運動」が大きく広がっていったのは,地方から声を聞いていって,それを吸い上げていったと。 非常に興味を持ったが,土壌として全然イタリアと日本は違いがあった。 何かと言うと,政治の話をいろんな場所ですることは,イタリアでは,当たり前。 一方,日本では,いろんな場所で政治の話したら嫌がられるという土壌の違いがあるから,簡単には比べられない。 逆に言えば日本のほうがハードルが高い。 逆に言えば世の中を変えるのにハードルが高くて面白いなっていうふうに思うしかないなと考える。
ゲイレポーター酒井佑人(27)は、女性専用車両の問題点、解決策を会見後、山本太郎代表にレクチャーをした。山本太郎代表は「今後、機会があれば取り組んでいきたい」と答えた。
取材&文:酒井佑人(ゲイレポーター)