2018/03/12 政治
公文書改ざん疑惑で記者から質問が殺到ー玉木雄一郎「希望の党」代表、定例会見

玉木雄一郎「希望の党」代表は2018年3月6日に衆議院内で定例会見を行った。

冒頭発言

まず、森友学園の文書のねつ造疑惑でありますけれども、財務省で作成したとされる決裁文書について、決裁後に改ざんされたのではないのかという疑惑が持ち上がっております。われわれとしては、国会議員に公開したものの他に、それとは違う別の決裁文書があるのかないのか、この存否だけでも確認してほしいという極めて単純なお願いをしてまいりましたが、今に至るまで回答がありません。捜査中ということでこれを拒否しておりますが、存否さえ明らかにできないというのは、明らかに不自然であります。
もし仮にこれが、国会議員に提出するものがオリジナルのものと改変・改ざんされていたとしたら、これは刑法上の罪になりますので、大変重い罪と言わざるを得ません。多分有印公文書変造罪になると思いますが、懲役10年以下の大変重い罪が課せられます。国家公務員法違反等ではなくて刑法違反になりますので、仮にこれが事実であるとすれば重大な犯罪と言わざるを得ません。その場合は、もしこれが事実であれば、少なくとも財務大臣は辞任に値する、極めて深刻かつ許し難い事態と言わざるを得ないと思います。早急に事実関係を明らかにしてもらいたいと思いますし、このことなくして、他の委員会も含めて、円満、円滑な委員会運営はできないと思いますので、政府、また与党側の真摯な対応を望みたいと思います。
また、仮にこれが事実であるとすれば、刑法上の犯罪を犯してまで隠さなければならなかった事実が一体何なのか、こういったさらに踏み込んだ事実解明、調査も必要になると思いますので、引き続き野党合同会議をはじめとした調査を深めていきたいと思っております。

 

それともう一つ、今度の日曜日で東日本大震災から丸7年を迎えます。改めて犠牲になられた方に心から哀悼の意を表したいと思いますし、併せて、今なお生まれ育った地域から離れて暮らしておられる、困難な生活を強いられている皆さんには、お見舞いを申し上げたいと思います。

希望の党としては、被災地に寄り添い、被災者の皆さんが安心した生活を取り戻すことができるように、全力を挙げていきたいと思っています。その一環として、あす、あさってで岩手県、宮城県を訪問して、被災地の復興の実態を再確認するとともに、被災者の皆さんの心の声をしっかりと受け止めていきたいと思います。
併せて、先週も報告をいたしましたが、希望の党としては、福島第二原発廃炉法案を今作成中であります。現在、小熊衆議院議員を中心に、与党を含めて各党に賛同を呼び掛けているところであります。福島県から原発をなくすということは、自民党も含めたオール福島の願いだと理解しております。できるだけ幅広い賛同を得られるように努力をしてまいりたいと思っております。
私からは以上です。

質疑応答

【記者】森友の話で、代表から、もし事実ならさらに踏み込んだ事実解明、調査が必要になるということでしたけれども、衆参両院でこの問題を調査するような特別委員会の設置は必要だとお考えでしょうか。

 

【代表】まずは所管の財務金融委員会が中心になろうかと思いますが、予算委員会でも取り上げられましたので、予算委員会でも議論をしていくべきだと思います。特別委員会を設置するかについては、今後の推移を見守って判断していくべきかと思いますが、いずれにせよ、財務金融委員会や予算委員会で徹底した説明と事実関係の究明が必要だと思います。

 

【記者】森友の文書偽造疑惑について、きのう、元総務官僚の小西参議院議員が、国会議員に配布された文書の中で調書と言われる、朝日新聞が報道した書き換えがあったと言われている5ページ分に確認印がなかった、他のページは官僚の方が決裁文書をチェックするときのマークがあった、その5ページ分が差し替えられた、ねつ造されたのではないかという指摘をなさったのですが、元官僚出身の玉木代表としては、この指摘をどう受け止められたか教えてください。

 

【代表】私自身も決裁文書を幾つか作ったことがあります。私も実はこれを最初に見たときに一番に気付いたのは、私の場合は赤鉛筆でチェックをすることが多かったのですが、赤鉛筆か蛍光ペンですね、これで数字のところとか表とかグラフの主になるところをチェックするということを、これは決裁のチェックをするときによくやるのですが、かがみの一枚目のところと5枚目以降の添付資料のところにはチェックがあるにもかかわらず、調書のところにはそういったチェックがなかったのは私も非常に不自然だと思いました。
併せて、きのう、わが党の今井議員をはじめ近畿財務局を訪問した際に、向こうに保存されていた調書を見せてもらったら出てきたのですが、今度はそこは青のチェックで、しかもドットではない、少しスラッシュのようなチェックが入っていたものをコピーを取らせてもらいました。しかし、これも不思議なのは、われわれ国会議員に出されたものには、そういった青でのチェック、丸ではないんですけれども、スラッシュのようなチェックも入っていないものが提示されているので、そうすると文書が2種類あるのか3種類あるのか、いよいよ分からなくなってきているので、いずれにしても1種類ではないのではないかという疑惑は極めて高くなっておりますので、これは徹底した真相究明を求めていきたいと思います。
繰り返しになりますが、仮にこれが事実であったとすれば、刑法違反になりますし、やはり財務大臣をはじめ、財務省の責任が厳しく問われることになろうかと思います。

 

【記者】先ほど、これだけの重い罪を財務官僚がもし犯していた場合、その背景として、やはり官邸への忖度、あるいは圧力、昭恵夫人の存在が切っても切れない関係にあるのではないかと思うのですが、昭恵夫人の参考人国会招致についてはどうお考えですか。

 

【代表】これは野党としても求めておりますし、繰り返しになりますが、これだけの刑法に違反するような罪を犯すリスクを取ってまで実現しようとしたこと、あるいは隠したかった事実が一体何なのかということについては、併せて解明が必要だと思います。
私が1年間ぐらいこの件を扱ってきて、改めて今、当時の文書を読み返しておりますけれども、2月10日に初めて財務省から提出された文書の中には、後に8億円値引きの根拠として問題となる、平成28年3月11日の新たなごみの発見というのが出てこないんです。前の年の8月のごみの発見だけが書かれてあって、後に一番問題となるこの新たなごみの発見については、実は一番最初に出してきた資料の中には書かれていない。逆に言うと、それが一番隠したかった事実ではないのかと思わざるを得ないので、そういったことも含めて、改めてこれまで財務省が提出した資料についても再点検していく必要があるのかなと思っております。

 

【記者】森友の関連でもう1点伺いたいのですが、財務省側はその資料について、捜査当局に提出中だという理由で公表できないという意向を示していますけれども、他方で、野党側は、国政調査権という言葉を出したり主張したりして資料を出すべきだと求めている。そして、他党の幹部はロッキード事件当時の対応を引き合いに出してくるような動きもありますけれども、司法当局の捜査と国会議員が持つ国政調査権ですけれども、その関係についてどういったご見解をお持ちなのでしょうか。

 

【代表】刑事捜査に基づく捜査、調査と、われわれ国会議員が国政調査権に基づいて行う調査は目的が違うので、併存し得ると思います。ですから、もちろん刑事事件の捜査、告発事案の調査、捜査が行われていたとしても、やはり国政調査権に基づく、国権の最高機関たる国会が要請した調査には、当然可能な限り応じる義務が行政府にはあると思いますので、捜査に協力しているから、捜査が行われているからということのみをもって、国権の最高機関たる国会の国政調査権を免れるものではないと思いますので、コピー等も保存されていると思いますから、これはしっかりと調査に応じるべきだと思いますし、そもそも国会議員に提出したもの以外に決裁文書があるかないかは単なる存否の確認ですから、これは捜査にも影響しないし、速やかに判断できることだと思いますので、これはあしたにも、いや、きょう中にも明らかにしてもらいたいと思っています。

 

【記者】先ほど来、この件について財務大臣の責任というものに言及されていますけれども、野党内では内閣総辞職ということまでおっしゃっている方もいらっしゃいます。この件に関しての内閣、政府全体の責任、あるいは安倍総理の責任というものについて、現時点でどのように思っていらっしゃいますか。

 

【代表】これは先ほど申し上げましたけれども、財務省の決裁文書が変造・改ざんされていたとすれば刑法にも違反する罪になりますから、当然財務大臣以下財務省の責任、そして最高責任者である財務大臣の責任は免れないと思います。併せて、こうした事態が発生したことについて、総理あるいは総理の奥さんである昭恵夫人が何らかの形で関わっていたとしたら、これは内閣全体の問題、内閣全体の責任と言わざるを得ませんから、その場合はやはり総理ご自身の進退にも、まさに総理が昨年国会で明確におっしゃったようにご自身の責任にもなると思いますし、それは同時に、内閣総辞職ということになろうかと思います。いずれにしても、事実関係を今確認することが必要ですので、財務省においては正確な情報を速やかに国会に提出すべきと思います。

 

【記者】関連で、安倍総理の対応についてお伺いしたいんですが、今まで、朝日新聞の森友学園問題に関する記事を、真っ赤なうそだとか、事実と違うとか、さんざん朝日批判をしてきた安倍総理が、今回の件に限ってはほとんど批判していない。もしこの朝日新聞の記事が事実無根であれば、安倍総理は財務官僚に指示して、ねつ造する文書はないと、事実無根であることを確認して、すぐ朝日批判を始めてもおかしくないと思うんですけど、なぜか今回は音なしの構えだと。この安倍総理の不可解な対応についてはどうご覧になっているでしょうか。

 

【代表】朝日新聞さんが報じたからどうかというのは、コメントは差し控えたいと思いますが、仮に事実でないのであれば、これは速やかに否定すれば済む話であります。それを今日に至るまでしていないということは、やはり国会議員に提出した文書以外の文書が存在する、つまり、そのことはオリジナルの決裁文書を後に改ざんをした、改変をした可能性があるということを示唆しているわけですから、今の時点で明確に否定されないということは、やはりそういった可能性があるのではないかとわれわれも疑わざるを得ませんから、引き続き財務省には徹底した調査と速やかな情報の公開、真実の説明を求めたいと思います。

 

【記者】昨日、民進党の増子幹事長が、希望、立憲に呼び掛けた上での新党の結成を4月中にと、改めて発言をされました。このことについてどうお考えかということと、玉木代表として何かこう、時期的なものといいますか、新党構想そのものにどういったお考えがあるか、改めてお聞かせください。

 

【代表】裁量労働制のデータの問題、あるいは今回の森友学園の決裁文書の改ざん疑惑の問題など、野党で協力をしてしっかりと政権に向き合っていくことで一定の成果が出るということについては実感をしたところでありますし、逆に野党がばらばらであれば、なかなかこうした成果を上げることも難しかったのではないかと思うところもありますので、できる限り野党が力を合わせるところは合わすべきだということは、今回の事例を見ても痛感したところであります。
増子民進党幹事長が具体的にどうおっしゃったかということは把握をしていないんですが、この前、日曜日に高松に来られたときにも少し話をされました。ある意味そういう、野党の大きな固まりをつくって安倍政権にしっかり対峙をしていかなければならないという、登るべき山の頂の姿は共有しているのかなと思いましたが、ただ、登り方、登るタイミングについては、またさまざま各党の都合もあるのかなと思いましたので、お話はお話としてお伺いをしましたけれども、今はやはりしっかりと安倍政権にわが党としても一致協力して向き合っていきたいと思っていますので、特段われわれとして何か、時期であるとかやり方であるとか、そういったことについて現時点で決めた事実はございません。

 

【記者】原発ゼロ法案については立憲民主党も同じような法案を出しているんですが、共同提出の可能性はあるんでしょうか。もし、違いで、共同提案の障害になっている事項、内容がありましたら教えていただきたい。
もう一点、これまで民進党時代に同じような法案を出そうとしたときに、連合、特に電力系労組が反対して頓挫したといういきさつがあったと思うんですが、この前も、立憲民主側の方が電力系労組と会ったときに名刺を受け取らないということも報道されているんですが、希望の党の原発ゼロ法案に対しては、連合、電力系労組は何かクレームをつけてきていないんでしょうか。

 

【代表】原発依存度をできるだけ下げていこうということについては、これはある程度各野党、一致している見解だと思います。われわれとしても法案を今作成途上にありまして、その中でやはり現実的な原発依存度を低下させていく法案をぜひ作りたいということで今議論を重ねておりまして、関係の方々からもヒアリングをしているところであります。
何か反発をされたから法案が作れない、出せないということではなくて、やはり現実的な法案をぜひ作っていきたいという形で、今、丁寧な法案作成作業を進めているところであります。まずはわが党の考え、わが党の法案をしっかりまとめるということが第一だと思いますので、各党との協議という前に、自分たちの考えをしっかりまとめ上げていくということにまずは全力を挙げたいと思います。

 

【記者】立憲民主との相違点、違いというのは今のところ見つかっているんでしょうか。

 

【代表】立憲民主さんの法案を必ずしも全て私は理解しているわけではないのですが、自分たち、わが党として目指すべき現実的な法案を、今、田嶋要エネルギー調査会長の下で作成している途上だと聞いています。

 

【記者】石垣市長選について、党の方針と今後の選挙の位置付けを教えてください。

 

【代表】わが党として候補者を立てているわけでもありませんし、特段わが党としてこの選挙に関わっていくということではないんですけれども、非常に重要な選挙だと思っておりますので、しっかりと注視をしていきたい。保守派が分かれてという選挙になっていると認識しておりますけれども、いずれにしても選挙経過については注視をしていきたいと思っています。

 

【記者】4月8日に練馬区長選が公示されます。それと同時に区議の補選があるんです。5人欠員があるんですけど、そこに高松さん、希望で国政に出て次点で落ちた人が出たり、都民ファーストから美人が出たり、自民党からも美人が出たり、小林興起さんのところからも美人が出たりして、とても面白いんですけども、応援に行かれますか。

【代表】いや、ちょっと選挙情勢について必ずしも承知しておりませんので、現時点ではまだ未定です。

プロデュース :及川健二
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