2017/03/27 地域
熊本南阿蘇村の「地獄」で見た希望。兄弟たちの奮闘を知ってほしい。

昨年4月に九州地方を襲った熊本地震。発生からまもなく1年を迎えるが、壊滅的な被害を抱えたまま立ち往生している地域があるのをご存知だろうか。

熊本県南阿蘇村の秘湯、地獄温泉。源泉を囲む山々が崩れ昨年大規模な土石流災害が発生。今も山肌から水が道路に染み出し、アスファルトの亀裂を広げながら流れ出ている。

「熊本で最も最悪な土地」、地元の被災者はこう嘆く。

地域のシンボルでもある温泉郷では、140年以上の歴史を守ってきた老舗旅館が土石流に飲み込まれた。旅館の経営者、河津誠、謙二、進さん3兄弟は自分たちの代で旅館を終わらせてはならないと復旧、復興に向け奮闘を続けている。

地域の人たちの雇用の場にもなってきた温泉郷。自分たちが復興しなくては、地域の復興にも繋がらないとこの1年奮闘してきたが、被害の深刻さに時折本音が深いため息とともに漏れる。

地震発生から1年、再び春を迎える。警戒するのは雨だ。土砂崩れを起こした山の斜面の復旧にはまだ時間がかかる。春の嵐、梅雨、そして台風シーズン。地元では今一度土石流災害が発生したら持ちこたえられないのではないかと不安もよぎる。一刻も早い、復旧作業が望まれる。

旅館の立て直しには数億円規模の新たな費用が必要だ。絶望的にも見える旅館の再建だが、3兄弟には希望がある。

乳白色の優しい手触りの名湯、雀の湯。土石流災害からの難をかろうじて逃れ、今も、コポコポと音を立て湯は湧き続ける。

来月4月には、南阿蘇村で大規模な復興イベントも企画。クラウドファンディングで資金集めを始め、なんとか人々の支援を取り付けた。

熊本市中心部では復興が進み地震の記憶も心のうちにしまわれつつある。「忘れられてはいけない。再び、再興し旅館のファンをよびもどす」兄弟たちの決意は硬い。

現場は今どうなっているのか、温泉地を訪ねた。

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熊本地震から1年。南阿蘇の1年とこれからを写す復興イベントを開催したい!

https://camp-fire.jp/projects/view/21303

プロデュース :HORI JUN
Comment

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  • 川村成剛 2017-04-02 16:45:29
    地獄温泉は、私にとって大変想い出深い場所であります。独身の時から結婚して子供が生まれ毎年宿泊してました。夕食後のデザートが楽しみにしてた家内の顔が思い出します。子供たちがすずめの湯で顔に湯ぶね底の泥を塗って真白な顔にしてた事など本当に思い出の場所です。早く復活することをお祈り致します。そしてまた家族全員で伺いと思っております。孫に見せてあげたいです。
  • 長堀 嘉一 2017-04-11 08:12:07
    朝日朝刊を拝見し詳細を知りました。地獄の希望「すずめの湯」のお話感じ入りました。広くみなさんに知って頂くためにも、このビデオをどちらかのTVで取り上げて頂けないのでしょうか。
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