沖縄県知事選挙で辺野古新基地反対派の翁長雄志さんが勝利して民意は示されたが、辺野古は「過去の問題」として捉える日本政府の暴君っぷりもあり、今のところ辺野古の埋め立ては止まる目処は無い。選挙が終わるとすぐに沖縄県北部にあり辺野古と隣接しているキャンプシュワブへの資材の搬入など、一時的に中止していた埋め立てに向けての動きは再始動し、反対派と機動隊の衝突も報じられた。
22日の夕方に辺野古を訪れると、海も空も穏やかで、浜を歩いている人々が終わったばかりの選挙の話をしていた。午後の4時を過ぎていたので、座り込みのテント村に人はいなかったけれど、代わりによくしゃべる白猫が、辺野古闘争「3870日目」と日付が毎日更新される看板のそばに、テント村を守るように座っていた。
砂浜には、町とキャンプシュワブを隔てるフェンスがあり、ここから向こうはアメリカだぞ、と地元の人が言った。選挙中には無かったオレンジ色のブイや、黒いボートや、波打ち際で作業する兵隊の姿が見えた。
ところで、沖縄の海で埋め立てられているのは辺野古の大浦湾だけではない。辺野古の大浦湾に関しては、埋め立てて、しかもそこに新しいアメリカの基地を建てるというので特に派手に報道されているが、那覇空港の第二滑走路をつくるための埋め立ても進んでいるし、泡瀬干潟も埋め立てられようとしている。実際、辺野古の埋め立ては反対するのになぜ那覇空港の第二滑走路や泡瀬干潟の埋め立てに対する反対運動は起きないのか疑問に感じている人もいる。那覇空港の第二滑走路用の埋め立てを進めているエリア付近は、クジラやウミガメが通る場所でもあり、環境保護や生物多様性を大切にするという観点から見たら、こちらも埋めない方がいい。
地元の人と話していると、北部振興を掲げるならば、わざわざ海を埋め立てなくても北部に空港をつくって、北部と中部を電車で繋ぐとか、または伊江島であまり使われていない空港があるよとか、空港に関する意見にもバリエーションがある。