2014/08/06 政治
【音楽×政治×平和】「決して待っては平和は来ない」政治へ踏み出したミュージシャン、喜納昌吉と三宅洋平を裏で支えてきた岡田哲扶さんに聞く 音楽を選挙運動に取り入れた「選挙フェス」から約1年、何が起きているのか? 

「決して待っては平和は来ないから行きます」2003年2月、ミュージシャンの喜納昌吉さんは、空爆直前のイラクのバグダッドへ向かい、現地でピースコンサートを行った。喜納さんはミュージシャンとして世界中で平和活動をしてきたが、イラク戦争が起きた後、平和を築くためには政治の中枢に入るしかないと決意し、2004年7月の参議院議員選挙に民主党比例区から出馬し、参議院議員となったという過程を、喜納さんのマネージメントオフィス(有)チャンプルーズの一員として、エイサーのダンサーとして、そして議員時代は公設秘書として喜納さんの音楽、平和、政治活動を裏で支えてきた岡田哲扶さんは話す。

喜納さんの出馬から約10年、同じようにミュージシャンである三宅洋平さんが、今度は原発事故を直接のきっかけとして参議院選挙に出馬。喜納さんと同じように、音楽を大胆に取り入れた選挙運動「選挙フェス」を全国で展開し、無名の状態から17万票を得た。岡田さんは三宅さんの選挙で選対本部長、そして「選挙フェス」のオーガナイザーを務めた。

喜納さんと三宅さんを裏方で支え、音楽、政治、平和活動に長年身を投じてきた岡田さんは「選挙は『マツリゴト』なんですよ。直接国の方向性を変えることができる日本最大の祭りというか、それは国政選挙。地方選挙にしてみればやっぱり自分たちの住んでいる地域の方向性を変えられるというところで。普通に盆踊りとか今シーズンであるんだけど、そういうのもやっぱり地域のコミュニティーがあって、地域の皆さんに楽しんでいただきたい為に祭りをつくっていくのと、そんなに変わらない感覚で選挙運動やってもいいと俺は思ってるんで、今までの既存のスタイルに捉われずにどんどん自分たちの思うような楽しいような選挙運動がどんどんこれからも出てきていいんじゃないかと思ってますね」と言う。

「選挙フェス」から約1年が経った今、三宅さんは「1万人の立候補プロジェクト」を掲げ、全国各地で若者達が地方選挙に出たりして、積極的に政治にコミットすることを勧めている。

政治をする人しない人という分断の垣根を無くしてゆきたいという有権者の気持ちのあらわれとしては、今年4月にアースデイ(地球のことを考える日)のイベントを、冨田隆史さんが筆頭となり、市民が永田町の国会議事堂の議員会館で企画し、国会議員達から直接話を聞ける機会をつくり、自分たちも国会議員達にオーガニックなライフスタイルを 紹介するという双方向のイベントも催された。

去年12月の特定秘密保護法案の強行採決や、7月の集団的自衛権の閣議決定の時も、以前では考えられないような数の人々が国会前に集まり抗議行動をした。何かあると国会前などに人が集まるという現象は、人々の意識が変わってきているという証拠だと思うと岡田さんは話す。

「一度選挙のボランティアに行っただけで、政治団体を立ち上げて自分たちで許可をとってハチ公前とかで演説をしている若者もいる。政治活動はそんなに大変じゃないよ」と岡田さんは言う。

公職選挙法の縛りはあるけど、公職選挙法で縛られてない部分は法律を読んでみると多い。買収、文書偽造、経歴詐欺は一発アウトだが、他のことなら、例えばちょっとやらかして公選法に触れてしまっても、1回注意されたらやめればいい、と岡田さんは言う。街頭演説でライブやっちゃいけないとは書いてないし、2004年の喜納さんの選挙で、自分たちらしい選挙をしようということで、街頭演説でライブをやった。それから10年経っているけれど、総務省から注意されたことは一度もないという。

多くの日本人が第二次大戦を思い出し、平和を願う8月6日。「積極的平和主義」を掲げる安倍総理とは全く違うニュアンスで「決して待っては平和は来ない」とイラク戦争直前に喜納さんは言った。これから日本人はどのように日本で、そして海外で「平和」をつくってゆくのだろうか。

【岡田哲扶 プロフィール】

1991年喜納昌吉のマネージメントOFFICE(有)チャンプルーズ入社。1992年喜納昌吉&チャンプルーズと共に活動するエイサーチーム「うるまエイサー」結成。喜納昌吉&チャンプルーズのライブ、レコーディングなどに参加。また与論島、沖永良部島、宮古島、鹿児島などでエイサーを指導。各地にうるまエイサーの支部を創設。1996年アトランタオリンピック公式文化イベントには、喜納昌吉&チャンプルーズと共にエイサー隊100人を率いて出演。他にも「サバニ・ピース・コネクション」、「白船」、「戦争よりも祭りを イラクピースアクション」など喜納昌吉氏発案の平和ムーブメントの事務局を担う。さらに、喜納昌吉氏の参議院議員在任中は公設秘書も務めた。2013年参院選に立候補した三宅洋平の選対本部長として「選挙フェス」をオーガナイズ。現在、日本アーティスト有意識者会議(NAU)事務局長。

著書「選挙フェスのつくりかた」

twitter (https://twitter.com/okadatetsuo)

プロデュース :蜂谷翔子
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