2014/04/22 政治
【衆院鹿児島2区補選】広瀬隆×三宅洋平:「選挙」という手段 廃炉と原発のない社会へのみち+鹿児島市内の川内原発再稼働に対する声

有川美子さんという42歳の介護福祉士の女性が衆院鹿児島2区補選に立候補している。脱原発勢力の拡大を目指す山本太郎参議院議員が川内原発再稼働反対の候補者を鹿児島2区で擁立するために先月候補者を募集、面接を経て、応募者の中の1人の有川さんが選ばれた。

彼女を擁立した新党ひとりひとり党首の山本太郎さん、選挙を応援する作家の広瀬隆さん、ミュージシャンの三宅洋平さん、女優の木内みどりさん、そしてボランティア達も、この選挙を鹿児島だけの選挙だとは捉えていない。川内原発の再稼働を阻止する為、原発の無い社会を目指す手段の1つとして、国政でも地方政治でも脱原発の政治家を増やし、日本の未来に参画する姿勢を彼らは持つ。

広瀬隆さんは、選挙は1つの区切りであり選択肢でもあるが、選挙だけで全てが決まるわけではないので、勝っても負けても長い目で廃炉の為に運動を続けてゆく必要がある、これは日本が生き残れるかどうかという問題、と選挙フェス会場の鹿児島中央駅に向かう当日の朝に心境を話してくれた。

選挙フェスが始まり登壇した広瀬さんは、東日本の人間が今どんな思いをしているのか知って下さい、事故が起こってからでは駄目なんです、川内原発の再稼働を止めてほしいから鹿児島の有権者にお願いをしにきたのです、と訴えた。広瀬さんは2010年に福島を訪れ、大地震が間近に迫っているから原発を止めるべきだと講演し、そして半年後それは現実になった。現在日本は地震の活動期に入っているので、この場所が廃墟になるかもしれないという想像力を働かせて下さい、と川内原発の危険性を訴えた。

美しい山や海が鹿児島にとって当たり前だがそれには大きな意味がある。我が家では孫には安全な食べ物を食べさせたいので魚介類は全て九州からとっている。九州が我が家の食卓を支えている。汚染されていない九州は日本の食糧庫としてこれから日本を支えなければならない立場にもあると広瀬さんは言う。

日本の一番南にある原発が川内原発で、そこで事故が起きれば放射能が台風の進路に沿って日本を総なめにし、黒潮が太平洋側、対馬暖流が日本海側を登り汚染水を運ぶ。福島の過酷事故は8割の放射能が太平洋側に落ちたが、薩摩川内で事故が起きればかろうじて放射能汚染を免れている日本の陸や海も全滅する、と広瀬さんは警告する。

川内原発に関する良いニュースは、川内原発は2011年の9月に止まり、使用済みの核燃料は既に2年半の冷却を経て安全な状態になりつつあり、現在冷えている使用済み核燃料をドライキャスクに入れてしまうことができるということ。しかしまた原子炉に火をともしたら逆戻りだと広瀬さんは言う。

広瀬さんの後にマイクを握った三宅洋平さんは、今回も深い選挙をして欲しい、自分たちは成功したいから選挙がやりたいわけではない、今回の選挙がどうなるかという結果だけではないと言う。「運動と呼ぶのか、革命と呼ぶのか、日々の暮らしと呼ぶのか、ライフスタイルの変遷と呼ぶのか、パラダイムシフトと呼ぶのか、いろいろあると思うんですけど、誰が議員になろうが誰が知事になろうが僕らが原発の無い社会をつくっていく必要があると思います…ぼくらのように選挙に積極的に参加するのも当たり前の日常の光景になっていくと僕は確信しています」

4月17日に鹿児島市内で街頭インタビューを行うと、再稼働反対、仕方が無いと思うので容認、段階的に脱原発、知識が無いのでわからない、という意見が多く積極的に再稼働をしたいという意見はあまりないようだった。しかし「選挙フェス」や選挙や社会運動を通して脱原発を目指す人々との温度差があることも否めない。

プロデュース :蜂谷翔子
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  • 及川健二@France10 2014-04-22 07:21:20
    この映像、待っていました。

    ゆっくり視ます(。・ω・。)
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