中国との「サービス貿易協定」締結を非民主的に強行した台湾の与党、国民党の馬英九総統に対して学生達が太陽花学運(Sunflower Movement)と呼ばれる反対運動を起こし、3月18日から学生による前代未聞の立法院(国会)の占拠が続いている。
林飛帆をリーダーとする学生達による占拠の続いている立法院はTaipei Main Stationから徒歩5分程度。筆者は現地に3月27日の夜8時頃に到着。気温は20度以上あり温かい。駅付近にも運動のシンボルとなっているひまわりの花を手にしている人々の姿がちらほらと目につく。立法院付近のエリア一帯には、スローガンの書かれた大弾幕やサインや無数のポスター、そして運動に参加している若者達で溢れている。熱気に満ちた様子や雰囲気は、野外音楽フェスやお祭りと雰囲気が似ているところもある。演説が絶えず行われ、人々は熱心に耳を傾けている。様々な年齢層がいるが、若者が非常に多いのが特徴。友人同士やカップルの姿も多く目につく。数カ所で映画が上映され、水や食料は無料で配給され、医療施設も整備されている。人々は椅子やシートを道路に持ち出して座ったり寝転んだり、解放区となっている。立法院の敷地内も運動の参加者たちで溢れていて、誰でも敷地内に簡単に入ることができる。
近隣の大学の施設内でも学生達が泊まり込みで運動に打ち込んでいた。筆者が立ち寄ったときは和気あいあいとした雰囲気だった。ホールの中には学生達が運動を続けるために寝袋が敷き詰められ、無料の食料があり、寝泊まり飲食ができるようになっている。机の上には1%と99%という不平等の構図に光を当てたアメリカのオキュパイ運動に関する著書も目についた。学生達は自分たちで運動を盛り上げ、ソーシャルメディアを利用して発信を行ない、世の中のど真ん中の問題に対して大胆にアクションを起こしている。
もちろん学生達の声に対して肯定的なコメントばかりではないのが現実だが、現地では新聞やテレビといったマスメディアも10日目に突入した太陽花学運、立法院の占拠を大きくとりあげている。