2018/03/31 地域
日本でたくましく生きる野生。桜とワカケホンセイインコの群れ、東京都北区・旧古河庭園裏にて

ワカケホンセイインコを動画でとらえました。場所は、東京都北区西ヶ原、旧古河庭園の裏のあたりです。2018年3月18日、この日は桜が咲く直前で、花や蕾を食べる食性のワカケホンセイインコがそれらを食べに来た可能性があります。

 

確認されたのは5羽程度の群れ。独特の金切り声を上げながら、電線から木へ、木から電線へと飛び回ります。桜の木にはネコが高所まで登り、ワカケホンセイインコを狙っているかの様子も見せますが、ワカケホンセイインコのほうはすぐ飛び去るなど用心しているようにも見えるものの、怖がってはいないようです。

 

ワカケホンセイインコは外来生物であり、1969年から東京都23区の西南部で野生化し棲み着いているのが確認されています。その意味では北区はやや位置は外れますが、旧古河庭園のあたりは公園や都立庭園など緑が多いので、棲みやすいのではと推測されます。

 

外来生物としての影響は、日本在来種と「巣の場所の取り合い」になる可能性があります。ワカケホンセイインコは樹洞に営巣するため、他の樹洞に営巣する鳥類と競合してしまうのでは、ということになります。

 

地球上における、自然分布はインド、パキスタン、スリランカです。日本にはペットとして連れてこられ、脱走した個体が野生化し今日に至っています。全長は約40cm、全身が黄緑色。尾が長いのが特徴でもあり、今回群れを目撃し、映像提供くださった富田さんは「いっせいに飛び立つ様子はブルーインパルスのようだった」と語ります。また、富田さんの知り合いの方の飼育時のエピソードとして、餌を3個取るように指示するとちゃんと3個取るとのことで、頭が相当良く、数の概念もあるのではとのことです。

 

ペットとして日本に連れてこられ、逃げて野生化し、日本在来の野鳥に影響を与えるのではとされるワカケホンセイインコ。

 

しかしワカケホンセイインコに罪がある訳ではありません。異国で生き抜くワカケホンセイインコ、インスタグラムで「#ワカケホンセイインコ」と検索すると、飼い主に大事に可愛がられるワカケホンセイインコの他に、桜の花を食べるなどしてたくましい野生を生きるワカケホンセイインコの姿も見られます。これを機に、人間の都合で、野生動物の命を勝手することについて考えてみるのはいかがでしょうか。

 

映像提供:富田さん
参考資料:国立研究開発法人国立環境研究所 侵入生物データベース
https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/20090.html

プロデュース :西村晴子
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