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海外在住の日本人が国を提訴「郵便投票は機能しない」在外投票違憲訴訟 LOST VOTES 在外投票制度を問う #8bitNews

2026/07/10 ▶ VIDEO

この動画の要点

全文書き起こし

ジャーナリスト 溝二葵: 在外投票をめぐる違憲訴訟が今日、国を相手に起こされました。まさにこの裏の時間帯では、参議院で在外ネット投票の導入を検討する条項が附則に加えられた改正法案の審議が行われているこのタイミングなんですが、今回、声を上げた海外に暮らす日本人有権者の方たちが今、何を求めるのか、その声も聞いています。会見の様子、ご覧ください。

弁護士 戸田善恭: オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツに住んでいる日本国籍の方々(が原告)なのですが、この4名の方が原告となりまして、国に対して国家賠償請求、それから違法確認請求を求めるという風な訴訟になっております。具体的にはですね、今年1月に実施された第51回衆議院議員総選挙の時点において、原告ら在外国民の選挙権や国民審査権、この行使をするための立法措置というものを取っていなかったということ、この立法不作為が憲法15条あるいは憲法79条に違反するとして、これによって被った精神的な苦痛などについて損害賠償を求めるというのが1つ目の国家賠償請求になります。もう1つなんですけれども、この立法不作為の違憲であることを前提といたしまして、次回の衆議院総選挙において、現状維持してですね、原告らの選挙権あるいは審査権の行使を妨げることは違法であるということの確認を求めるというのが、この2つ目の違法確認請求の内容になっております。後ほどお伝えいたしますが、いずれもこの在外国民が特別の負担なく権利行使をするための措置を取ってこなかったこと、このことが違憲であるということをこの訴訟を通じて争っていきたいという風に考えております。

中身についてご説明いたします。まず前提となるこの在外選挙制度のシステムについて簡単に申し上げますと、海外に暮らす日本人の有権者の方々が投票する方法というのは、主に2つございまして、1つが在外公館、これは大使館などで実際に足を運んで投票すること。もう1つが郵便投票という形で投票するという2つの方法がございます。今回の原告の皆さんは、いずれも郵便投票を選んだ方々という風になっております。郵便投票の仕組みなんですけれども、これ非常にですね、手間がかかる内容になっておりまして、原告の皆さん、在外選挙人名簿、これ日本で登録している自治体があるんですけれども、まずその自治体に対して、お手紙でこの投票用紙を送ってくれという風な手続きがまず入ってきます。その上で、日本のその選挙管理委員会から投票用紙を送ると。で、投票用紙を受け取ったら、それに記入してまたその選挙管理委員会に送り戻すというような3つのステップを挟むという風になっていて、非常にですね、時間のかかる手続きという風になっております。

今回の衆議院選挙の日程と原告の皆さんのとった行動については、お手元の一覧表でお配りした通りなんですけれども、まずですね、1月23日の時点で解散という宣言がなされまして、その4日後の27日が公示日。そこから12日後の2月8日が投開票日という風に設定されておりました。この解散から投開票日までわずか16日間という期間だったんですけれども、この期間は戦後最短の期間という風になったことは報じられている通りかと思います。今回の原告4名の皆さん、この1月10日頃に、報道で解散されるんじゃないかということが報じられてすぐに、国が形式的な意見表明をする前に選挙管理委員会に対して投票用紙を請求したということです。原告ショイマンさんは1月14日、寺尾さんは15日、東田さんは16日、で、千葉さんに至っては、その時たまたま日本国内にいたので、1月10日頃にすでに投票用紙の請求を行っていたということです。しかしですね、原告ショイマンさん、寺尾さん、東田さん、このお三方の元に投票用紙が届いたのが、2月3日から5日の間でした。これは投開票日のわずか2、3日前ということで、ここから送り戻してもその8日に届くというのはなかなか難しかったんですけれども、お三方はそれをあえて郵送したんですけれども、結果的に8日には間に合わなかったということです。で、原告の千葉さんに関しましては、投開票日を16日過ぎた2月24日になって、ようやく投票用紙が手元に届いたということで、そもそも投票、記入して投票するという機会自体がなくなってしまったということで、結果として原告の皆さん、投票というものはそもそもなかったということになったというのが、事案の大まかな概要になっております。

では、なんで原告の皆さん、この郵便投票という手段を選んだのかということなんですけれども、それはですね、やはり在外公館に移動するのにあまりにも時間的、経済的な負担がかかるからだったんですよね。例えばある人は、最寄りの在外公館に行くために飛行機に乗って、あるいは往復で十数万円のお金をかけなければ投票しに行くことができないという状況であったり、かなりですね、負担が大きかったため、そういう人たちのためにできたこの郵便投票制度というものを使って、今回投票を試みたんですけれども、結果として投票ができなかったという風になりました。こういう状況はですね、憲法が保障する選挙権、国民審査権といった基本的人権を今の状態では守られてないのではないかと。そのような状況はですね、長らくずっと予期されてきたわけなんですけれども、なんらですね、その措置を講じてこなかった不作為っていうのは憲法に違反するのではないかということをこの裁判では大きく問題にしていきたいという風に考えているところです。

次に、この裁判の法的な意義という点についても少しご説明したいと思います。この裁判なんですけれども、実は過去にですね、在外日本人の選挙権、あるいは審査権行使に関する2つの著名な最高裁判例がありました。その延長線上にあるものと考えていいのではないかなという風に思っております。1つは平成17年、これ在外日本人の選挙権行使に関する最高裁判例で、もう1つが令和4年の国民審査権行使の制限が問題になった最高裁判例です。そこでは何と言われていたかと申しますと、国民主権原理の下では選挙権や国民審査権、その制限は原則として許されないと。で、その制限が認められる場合はやむを得ないと認められる事由がなければならないという風に、極めてですね、厳しい判断基準を示しました。また同じくですね、平成18年にも重要な最高裁判決がございまして、これは精神的な原因で投票所に行くことができない人の権利行使の機会がしっかり保障されているのかというところが問題になった裁判例なんですけれども、ここではですね、泉徳治裁判官という方が補足意見の中で、選挙権の保障は選挙権を現実に行使し得ることを保障するものであると。そこではすべての選挙人にとって特別な負担なく選挙権を行使することができる選挙制度の構築も含まれるという風に述べました。このようにですね、憲法は誰もが特別な負担なく選挙権だったり国民審査権を行使することができる、その制度を国に求めているという風に言えることができるかと思います。そして、この措置を長い間取ってこなかった不作為については、やむを得ない事由なんてものはないんだと。憲法違反するというのが私たちの法的な主張の根幹になっている部分という風に言えるかと思います。

あと、もう1つ付け加えますと、この裁判で1つ大きな争点になると思われるのが、何が法的に特別な負担なんだというところです。これはですね、なかなか悩ましい点ではあるんですけれども、実は過去の最高裁判例で、選挙権侵害、そして国民審査権侵害については、この違憲判決が下された際の慰謝料、これが5000円という風に設定されていました。ですので、この5000円を上回るような経済的負担だとかを課されてしまう状況というのは、特別な負担が課されているということなのではないかと私たちは考えておりまして、今回、在外国民の皆さんが置かれている状況も、まさにそうした負担がなければ投票できないという状況に置かれていたという風に言えるのではないかなという風に思っています。あと、やむを得ない事由というところなんですけれども、私たちは全くそんな事由はなかったという風に言っているんですが、例えばですね、今でも海外でいろんなところで僻地で暮らす人たちが投票する手段ってのは設けられているんですよね。例えばその洋上投票に行ってたりだとか、それから南極地域で暮らしている人たちというのは、実際ファックスで投票できるシステムがあったり、あとはもう皆さんよくご存じの通りインターネット投票ですね、この点については長らく議論されているんですけれども、そうした技術的な部分もクリアできるということで、議論がずっと重ねられてきたという状況です。こうした様々な代替手段があるにもかかわらず、長期間何も措置を講じてこなかったということは、やはりおかしいんじゃないか、やむを得ない事由があるとは言えないんじゃないかというところで、私たちはですね、現状の不作為の状態というのが憲法に違反しているという風に主張しているというのが、この裁判における法的主張の概要になっているというところで、一旦私の説明の方は終わりにしたいと思います。

原告 ショイマン由美子: ドイツ在住のショイマン由美子と申します。今回の衆議院選挙では、私の場合はフランクフルトの総領事館まで200キロありますので、郵便投票を利用しました。ただ、選挙期間があまりにも短くて、私が送り戻した一票は投開票日までに間に合いませんでした。たった一票ではありますが、私自身とても大切に思っている自分の一票です。それを投じることができなかった、そしてそれが投票しても取り扱ってもらえなかったんですね。つまり、私の票は制度の隙間に落ちて存在しない票とされてしまいました。その悔しさと無念というのが、選挙権という憲法上保障されている権利が実質的に奪われたという怒りにつながっています。そしてこの問題は私だけの問題ではありません。また、今回に限ったことでもありません。日本への郵便が数ヶ月かかるという国に住んでいる方もいますね。それから、私のように在外公館が遠すぎたり、郵便事情が不安定で投票することを断念せざるを得なかったという人もいます。また、個人的に数万円もかけて日本に投票用紙を毎回送っているという方もいらっしゃいます。例えば、タイの離島に住む私の友人と数日前にやり取りしたんですけれども、彼の場合は送る以前にまだ投票用紙が未だ届いていないと言っていました。このように、同じ問題を抱えた人が世界中にいます。私はこれまでそのような声をたくさん聞いてきました。そうした方々の思いを代弁するつもりで、私は今回この訴訟に原告として参加することを決意しました。さらに、現在の政権下では憲法改正の議論が進んでいます。そうなった場合の国民投票の実施という可能性が現実味を帯びてくるわけです。で、国民投票を現在の在外選挙制度で行うとなったら、憲法という国の根幹に関わる重大な決定においてですね、投票したくてもできないという人が必ず出てしまいます。これは民主主義の正当性を揺るがす深刻な問題だという風に私自身考えていますし、そして不安でもあります。在外有権者の参政権を保障する制度の改善というのは、もはや先送りできない課題だと思っています。国には、長年放置されたこの問題に向き合っていただいて、在外ネット投票の導入を含む抜本的な制度の改革を早急に進めていただく責任があるはずです。私はこのことを今回の訴訟を通じて強く訴えたいと思います。皆さん、どうぞこの裁判を応援していただきたいと思います。よろしくお願いします。

原告 寺尾: フランス在住の寺尾です。フランスに長く住んでいるという風に言うと、周りから「フランス人になったの?」という風に聞かれることもあるんですけれども、私は日本人のままで、名前も寺尾のままで、参政権も日本の国政選挙にしかありません。フランスでも大統領選ですとか、市長・町長選というのが身近に最近もあったんですけれども、それは私は全然投票できないので、小さい頃から子どもたちも政治を身近に感じていて、大統領候補が誰だとか、今、街の市長選では誰が候補になっていてどういうことで議論してるっていうのを小さい頃から見てるんですけれども、私が母として投票しているという姿を見せられるのは、日本の国政選挙だけになります。ただ、在外公館が遠いということもあるので、実際に投票しようとすると、まず引っ越しをしてから3ヶ月以上その住所に住んで、その住所に住んでいる証明をまず在外公館に提出して、「この人はここに住んでいる、この国のここに住んでいる」というのを証明してもらいます。で、それをまた日本の方の提出した元の住所地で在外選挙人証を発行してもらって、それをまた領事館から戻してもらって、それでやっと選挙で投票する準備ができます。その次に、選挙のたびに「そろそろ解散があるかな」とか、「次にこの選挙の公示がいつあるから」って前もって選挙のたびにそれを日本の選挙管理委員会に郵送で送ります。で、今度は日本の選挙管理委員会の方から投票用紙をEMSで送り戻してもらいます。そのEMSもご存じだと思うんですけど、結構高額でそれも税金などで賄われているんですね。で、それを投票用紙を記入して、またそれを送り戻すという、何度もやり取りをするんですけれども、郵便事情もそんなに良いわけではないので、それをやるとなるとかなりのハードルがあります。で、周囲の日本人の友人たちにも「この間選挙投票した?」とか「今度する?」と話をしたりもするんですけれども、そもそも「まだ引っ越してから在外選挙人証の住所を変えてないから投票できない」ですとか、「在外選挙人証っていうのがいるの?そんなの持ってない」とか、そもそもそこのハードルも高かったりします。まず一番の大きな理由というのが、その気軽にすぐに行ける場所、パリ市内に住んでるとかそういう事情ではないので、すぐちょっと相談、ちょっと区役所に行くという感じで手続きできないというのが一番大きな理由だと思います。で、じゃあ実際に郵便投票の準備ができた、で投票しようとしても、今回のように急な選挙ですとか、あとコロナ禍を経てだんだん郵便事情もむしろ悪くなっている方なので、そうなってくると、郵便投票というものがもうそもそも制度として機能していないという状況があります。で、今私たちが在外投票っていうその行為自体ができるのも、過去に在外邦人の先輩方がいろいろ動いてくださって、その結果今私たちがその投票っていう行為ができるっていう状態にあるんですけれども、まだその実際に投票した結果が一票としてカウントされるまでっていうのの壁がまだいくつもあります。で、じゃあそれを今後、私たちだけの話ではなくて、在外邦人100万人いると言われているんですけれども、が、きちんと投票、普通に日本にいる時よりも少し壁は高いですけれども、投票してそれが一票としてカウントされるっていう風に制度としてきちんと機能する制度として運用されるためには、今ある自分も声を上げるべきだなと思ったのが今回原告となった理由の1つです。

原告 東田孝昭: オーストラリア在住の東田と申します。豪州に在住して34年、オーストラリアに感謝しながらも、やはり祖国日本は離れがたく、歳を重ねるごとに日本人であることの大切さを感じています。私にとって在外投票の投票権は、祖国日本と私を繋ぐかけがえのないものです。在外公館のない都市に住んで、これまで郵便投票を行ってきました。投開票日までにそれが着くかどうかハラハラして、また実際届くのもダメだなと思って諦めたこともありました。しかし今回、これは国民の基本的な権利として認められている選挙権を保障している憲法に違反しておかしいのではないかと。なぜ自分の投票について間に合うかどうかハラハラ心配しなきゃいけないのか、ちょっともういい加減にしてほしいなという怒りがこみ上げてきました。海外在住の日本人の基本的な権利、選挙権はどうなってもいいものだとは私は全く思いません。今は実際グローバルな時代で、海外のあちこちに日本人は住んでいます。で、また日本人も多様です。そういういわゆる海外の少数派の日本人の意見が日本の国内の政治に反映されるということは、今の日本社会にとってもとても大事なことではないかという風に思います。日本国内の多数派の日本人の方が、海外の少数派の日本人の現状や権利について少しでも関心を持ってくださって、基本的人権の観点からもサポートしていただけたら幸いに存じます。また、今回の訴訟が今までいろんな理由で選挙登録をしなかった、在外投票をしてこなかった在外日本人が、もっと選挙のことを身近に感じて、自分たちの参政権の行使の大事さを気づいて、参加してくれることを期待しております。以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

弁護士 亀石倫子: 千葉絵理子さんのコメントを代読します。「私は日本にいた頃から毎回欠かさず投票してきました。前回の衆議院議員選挙でも当然投票するつもりで、解散前から投票用紙を請求するなど、早めの在外郵便投票の準備をしましたが、投票用紙が届いたのは投開票日後でした。投票したい意志と手続きを尽くしていたにもかかわらず、選挙権を行使できなかったことに強い憤りを感じています。この理不尽は今回だけでなく、海外に住み続ける限り毎回起こりうる問題です。海外にいても私は日本国籍を持つ日本社会の一員であり、日本には家族がいて、日本国籍を持つ娘の将来もあります。日本の政治は海外で暮らす今も私の生活そのものに関わっています。それにもかかわらず、海外在住というだけで選挙権を実質的に行使できない現行制度はあまりにも理不尽です。私はすべての在外邦人が確実に投票できる制度への改革を強く求めます。」

ジャーナリスト 溝二葵: 質問をお受けしたいと思います。

記者: 8bitNewsの溝と申します。今回、原告の今日お越しになっているお三方にお伺いしたいんですが、今この会見の真裏で、まさに参議院の方ではですね、在外ネット投票の導入に関する法案に関しても、まさに立法の場でも動いている状況です。今回この立法不作為が憲法違反であるという点だと思いますが、この立法者である国会議員の方たちに原告お三方はどんなことを求め、どんなことを伝えたいと思うか、お一人ずつお伺いできたらと思います。

司会: じゃあ、先ほどお話しいただいた順番で、お話しいただいていいですか。ショいマンさんから、はい。

原告 ショイマン由美子: はい。今回の裁判は、国家賠償ということで、つまり国、行政なんですけれども、今国会の中で、やっとこれまでのいろんな当事者の方々の声、活動の声が届き始めて、議員の方々がそれを受け止めて、法律を作るべき方向性に進んでくださってることは本当にありがたいです。ただ、やっぱりまだその先日、公選法の附則に書かれたのもまだ『検討』ということで、『実施』という言葉が書かれていないので、ぜひですね、この裁判、私たち原告4人ですけれども、この背後には本当にたくさんの同じ問題を抱えた在外有権者がいるということを、この裁判を通して、もっと本当に実際の声として受け止めていただいて、問題の深刻さを理解していただきたいです。そして、検討を長年、議論・検討を続けるのではなく、もう実施に、特にその郵便投票がもう機能しないということは私たちの今の話でも、ある程度ご理解いただけたと思うんですけれども、もう郵便投票制度は在外投票においては機能しません。本当に今デジタルが進んでいるこの時代に、やっぱりオンライン化が必要不可欠です。在外ネット投票の導入がどうしても必要です。なので、もう議論・検討から抜け出して、実施ということを決定して進めていただきたいという風に強く願っています。

原告 寺尾: 私はこう今地方に住んでいるので、郵便投票という手段を選んだんですけれども、それはそもそもその郵便というのが安定して日本とやり取りができるっていう前提があったんですね。で、その先ほど申し上げたその在外邦人の先輩たちが在外投票の仕組みっていうのをこう声を上げて作っていただいたっていうところがまああるんですけれども、その時にちょっと私も拝見したのが、大都市周辺に住んでいる方たちでその運動を立ち上げたので、その郵便事情の悪い田舎ですとか、在外公館に遠い人たちっていうのがまあちょっとそこまで考慮がしきれてなかったというお話をみかけたことがあります。で、今回その立法される方々にお願いしたいのは、とにかくたくさんの当事者の方の話を聞いて、じゃあその実際に立法しようとしている内容が本当にその方たち全員に当てはめてみて、実際にそれが使えるものなのか、運用できるものなのかっていうシミュレーションをものすごくたくさんやっていただきたいという風に思っています。でないと、まあ今回私たちが訴えて何か制度ができました、でまたさらに制度ができたとしても、それに切りこぼされて、取りこぼされてしまう方たちっていうのがもしかしたら出てくるかもしれない。その取りこぼされるっていう状態を本当にゼロに近づけるようにするというのが、その立法側の責任だという風に思っています。

原告 東田孝昭: 今、立法の法でそういうネット投票ですか、そういう流れが今あるということは、とってもいいことだと思います。実際問題として今回、オーストラリアで郵便投票をして、速達で送って追跡してみたんですけれども、そしたらアデレードからシドニーに行って、シドニーからちょっと待って東京に行って、東京からグルグルで、そのオーストラリアでもですね、なんか最初の時は2週間くらいかかっちゃって、速達がですね。で、それで、まあ日本の郵便事情はとってもいいと思うんですけれども、いわゆる先進国みたいな国でも、日本みたいにいくところは絶対にないと思うんですね。で、それに今オーストラリアは国広いですから、ノーザンテリトリーとかですね、それからアリススプリングスとかいろんなところに住んでいらっしゃる方とかですね、それは郵便自体でも一週間かかっちゃうんじゃないかなという感じです。で、しかも、じゃあ、いわゆる発展途上国というか、アフリカとか東南アジアとかですね、いろんなところに住んでいらっしゃる邦人の方も多いと思うので、もう可能な投票の仕方は限りなくネットにしかないんじゃないかなと僕も、詳しいことはわからないんですけど、思うんですが。でも、先ほどちょっと寺尾さんもおっしゃったように、マイナンバーで紐付けされる場合ですよね、2015年と言われたら僕なんかも1992年に日本を出てるから絶対対象外で、その辺の本人確認とか、まあ改善の余地はあると思うんですけれども、そのいい方向に向かって、実際的にやってほしいと思います。それと、今デジタル庁というのがあるんですか。で、そういうのも今日本にはあると聞いてますので、もう100%完璧じゃないからダメだという前に、ベターな方向で考えてほしいですし、確か、私は詳しく知らないんですけれども、フランスとかエストニアとかですね、いくつかの国はネット投票をすでにやっている国もあると思うので、まあそういう事例も参考にしながらですね、もう先輩方は30年も頑張ってこられたんですから、そろそろ海外で投票したいと思う人間が投票できるようなシステムを作ってほしいと思います。で、まあ私たちは司法の面からこう、その立法と司法で両方、いい方向にこう流れが行くように頑張っていけたらいいんじゃないかなという風に思います。

記者: 提訴のタイミングなんですけど、今回みたいにいつ起きるかわからない、その解散するか分からない衆院選を見据えてなのか、来年の参院選を見据えてなのか、あるいは今国会でもその審議をしてるっていう状況を踏まえてなのか、もしタイミングに意味があるようでしたらちょっとお伺いしたいです。

弁護士 戸田善恭: はい、タイミングについてはまさに今国会でちょうど議論されているというところを見据えた提訴日を考えておりました。やはり今、オンライン投票を附則に入れるとかいう話がずっと出てましたけれども、やはりこういう風に国会でも議論が盛り上がっているこの状況で、司法の方でも今の状況はおかしいんだということを声を上げていくということが、やっぱり必要なのではないかということで、まさに国会中である今日提訴という風にしたという経緯がございます。

記者: もう一点なんですけど、在外投票制度って、先ほどちょっとご説明いただいた通り、政治主導というよりもその当事者の方が裁判を起こしたり、署名をしたりして、自らアクションを起こすことで段階的にようやく権利を獲得してきた側面あると思うんですけど、そういった20年余りの制度の歴史も踏まえた上で、今回の訴訟をどういう節目に位置づけたいと思っていらっしゃるのか、意気込みも含めてお伺いしたいです。

弁護士 戸田善恭: 確かに在外投票制度は本当にいろんな先輩たちの積み重ねによってできてきたっていうところもあって、その中では司法が果たしてきた役割っていうのは非常に大きいという風に思てます。先ほど申し上げました2つの最高裁判例っていうのは、この在外国民の選挙権、あるいは審査権をちゃんと守るためのものとして非常に大きな位置づけだったという風に考えておりまして、私たちが今回提訴するこの訴訟というのも、それに連なる非常に重要な節目になるんじゃないのかなという風に思ってます。で、やはりその17年、それから令和4年という判決が出たことの重みっていうのを、しっかり今回の裁判でも訴えていけたらなという風に考えております。

記者: 戦後最短の選挙ということもあるでしょうし、あと先ほど寺尾さんがコロナ禍を経て郵便が海外でも不安定になってきているというようなお話でしたけど、そのあたりご説明いただければと思います。

弁護士 谷口太規: 解散から今回の選挙までが16日で、公示日から12日という、歴史上最短ということになってます。で、まあ、法律がですね、どんどん短くなってきてるんですね、公示日から選挙までというのが。前は25日とかだったのが、どんどん減っていって12日になった。在外選挙の事っていうのは、その時点では考えられてなかったわけですね、その当時は実現されてなかったので。で、まあ、解散から選挙までの期間というのが、短い方がその民意を問いやすいという考えもあるかもしれませんし、選挙はもう少し熟慮して、それが投票されるということも必要で、その中で一番はやはりすべての有権者がしっかり実質的に投票できる権利を保障されるということまで考えた上で、やはり選挙というのは実施されるべきではないかと。まあそういうところの考えが足りなかったので、歴史上最も短いし、結局投票できた人も最も少ないという、海外からですね、郵便投票した人は130何件しかできなかったわけなので。で、投票所が閉まった後に到達した票も20数パーセントが届かなかったという、そういうような経緯もあるので、やはりそこに対する配慮が足りなかったのではないかという風に思います。なので、先ほどちょっとそのネット投票の実現ということも1つの解決策として原告の方々おっしゃっていましたが、我々必ずしもそのネット投票以外にもですね、すべての有権者が特別な負担なく投票できる形で選挙が行われるべきだというのが、この訴訟の貫くテーマになっていますので、そこのところは、ぜひきちっと伝えておきたいなという風に思います。

記者: 元原告のお立場で、今回代理人ですけども、(今回の裁判を)どういう風に位置づけていらっしゃいますか。

弁護士 谷口太規: 私が在外国民審査の原告であったこともあって、留学で2015年に行ってて、在外国民審査の事件の原告で、代理人としてそこにいる伊賀弁護士らとその訴訟で違憲判決までたどり着いたわけですが、その時にあったのは、やはり海外に行くとですね、別に日本のことを忘れたという以上にですね、やはり何というか、その他の文化やいろんな制度に触れて、それまで以上に日本のことを考えるわけですね。あ、こういう社会になったらいいなとか。そういう思いで、皆さん外国に暮らされていて、今回も実はこの裁判起こす前に、アンケートを取ったんです。で、投票できなかった人たちがいるというのがSNS等で明らかになっていたので、まあ皆さんどうでしたかというアンケートをネットで取りました。そうすると我々は、数件数十件寄せられればいいなと思っていたんですが、400件近い声が寄せられてですね、でそこにこう皆さんが記載されている思いというのが、本当にその投票にかけている、日本社会がこうであってほしい、そのために自分もそこで選択に加わりたいという、すごくこう熱い思いがそこにこう溢れていてですね。で我々はそれに背中を押されてこの裁判起こすことになったわけですが、まさにその気持ちというはよくわかる、海外にいようともこの社会のことを希望を持ち、あるいは憂いて、この社会をどうにかしたいという思いをですね、本当に皆さんお持ちなので、でそれが反映されることはこの社会にとってもプラスなことだという風に思っています。で、それは私自身身をもって経験したことです。確かに投票されている方、今はそこまで多くはないのかもしれませんが、そこに込められている思いというのは、とても重いものがあるという風に、私自身のことも思いますし、今回の原告の皆さんとお話をしていても、本当にそれを強く思うところです。

概要(動画説明欄より)

今回の訴訟について、CALL4でクラウドファンディングが始まりました。訴訟費用や資料収集にかかる実費、弁護士費用等に充てられます。
CALL4「海外有権者の一票を守れ!在外選挙制度を問う訴訟」のクラファンページ👇
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000179

海外に暮らす日本人が国政選挙で投票する「在外投票制度」をめぐり、7月10日、ドイツ、フランス、オーストラリア、カナダに住む日本人4人が、国を相手に憲法違反を訴え裁判を起こしました。

この裁判で問われるのは、海外在住の有権者が「特別な負担」なく選挙権を行使できる制度を、国が長期間にわたって整えてこなかったことの違法性です。主な訴えは2つ。ひとつは、1月に解散し行われた総選挙の時点において、立法府が必要な立法措置を長期間取っていなかった「立法不作為」について、国に精神的・経済的な損害の賠償を求める点。もうひとつは、次の総選挙の時点で、海外在住の有権者が「特別な負担なく」選挙権を行使できる状況が確保されていないことが憲法に反し、違法であることの確認を求める点です。

原告の皆さんが声を上げた理由、そして立法者である国会議員に何を求めるのか取材しました。

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