この動画の要点
- 2026年8月26日にネパールとチベット自治区の国境付近で発生した大規模な洪水と土石流により、甚大な被害が出ています。
- 障害者スポーツを支援するメディア「ParaPulse Nepal」のメンバーが、被災地の現状や捜索・救助活動の困難さを報告しました。
- 地理的な制約や機材の不足により救助活動は難航していますが、発生から数日経って救出された例もあり、懸念と希望が交錯しています。
- 障害のある人々が災害時に情報や支援から取り残されないよう、インクルーシブな防災体制と迅速な情報伝達システムの構築が求められています。
- 被災地の関係者は、今回の災害の背景に地球温暖化があるとし、次世代を守るために世界全体で環境問題に取り組む必要性を訴えました。
全文書き起こし
ナレーション: ネパールとチベット自治区の国境付近で発生した土石流を伴う洪水から、今日で2週間。ネパール政府によると、死者は1358人、1万3583人が救助されましたが、日本人を含む5326人が今だ行方不明のままです。
ディバス・パリヤール: 私の名前はディバス・パリヤールです。障害者スポーツに取り組むメディア「ParaPulse」を運営しています。私たちのメディアは1年前に設立されました。被災地についてですが、まず、この災害は中国側から始まりました。ネパールで最初に被害を受けた地域は、ラスワとヌワコートです。そのほか、ゴルカ、チトワンなども被害を受けています。非常に、非常に大きな被害を受けた地域はラスワとヌワコート、そしてベトラワティのような小さな村や町です。
ナレーション(テロップ): 8月26日にネパールを襲った壊滅的な洪水によって、多くの人命が失われました。また、住宅、道路、橋、水力発電事業、そのほかの重要なインフラが大規模に破壊されました。この災害は15の自治体に影響を及ぼしました。何千もの家族が自宅を追われ、現在も緊急支援を受け続けています。また、救助活動も続いています。災害の発生から数日が経過しましたが、特に被害の深刻な地域では、捜索・救助活動が今も続けられています。治安当局の職員や、スペインの専門救助隊が、水力発電事業の地下トンネルや森林、洪水のガレキや土砂崩れの下に埋まった地域を捜索しています。ドローンや掘削機、ポンプ、そのほかの特殊な機材を使って、その地域を特定し、今も閉じ込められている可能性がある人たちを救助しようとしています。2人の作業員が救助されたことで、家族や救助隊の間には、行方不明になっているほかの人たちも、まだ生きている可能性があるという希望が生まれました。ネパール警察、武装警察、ネパール軍が、捜索・救助活動、支援物資の配布、避難、治安維持のために、大規模に派遣されています。
8bitNews 久米井彩貴(以下、司会): 皆さんが暮らしている場所は、被災地からどのくらい離れていますか?
ミトラ・バラル: カトマンズ市から、およそ80キロ離れています。北から南へ、ヒマラヤ地域からネパール南部にかけて被害が広がっています。
司会: 現在、最も困っていることはなんですか?
ミトラ・バラル: 主な問題は人々の生活だと思います。政府はすでに対応していて、支援を必要としている人たちに対して、しかし、今も閉じ込められている人たちの家族は、とても苦しんでいます。感情的にも、心理的にも、とても……。うまく説明できませんが、精神的に非常に、つらい状態にあります。水力発電事業の現場には、400人以上上がっていると思います。その中には4人から6人ほど……はい。ただ、正確なデータはありません。そこは地理的にも非常に困難な場所です。ヘリコプターや、さまざまな機材も、そこで使うことができません。そして、もう13日が経過します(9月8日時点)。しかし、8日後や10日後に、無事に生き延びて救助された人たちもいます。しかし、家族は、「私の親族は見つかるのか」「息子や父親、娘は見つかるのか」と思いながら待っています。そこには、さまざまな技術者や研究者など、さまざまな人たちがいました。水力発電事業が建設中で、2つの事業が稼働中でした。外国人も何人かいたと思います。韓国から来た人もいたと思いますし、ほかにもさまざまな国から来た人たちがいました。正確なデータは、今もまだ公表されていません。
司会: では、皆さんが被災地へ行くことも難しいのでしょうか?
ミトラ・バラル: 私たちはすでにヌワコート郡へ行きました。私はトリシュリ・バザールを見に行きました。そこは、チベットや、その先の山岳地帯へ向かうための主要な市場です。多くのトレッカーがこの市場に滞在し、ホテルに泊まっています。旅行に関する活動や、宗教に関する活動も行われています。しかし、私は、何も見ることができませんでした。
司会: 皆さんのメディア「ParaPulse」は、特に障害のある人たちの視点からストーリーを伝えていますね。災害時には、障害のある人たちが重要な情報を得ることや、避難すること、必要な支援やケアを受けることが、より難しくなる場合があります。今回の災害後、ネパールの障害のある人たちは、どのような状況に置かれていますか?
ミトラ・バラル: 2015年の地震のような大規模な災害が起きるたびに、多くの人たちが被災し、障害を負いました。そして、その人たちは今も、適切なケアを受けられていません。そのため、政府やさまざまな分野の人たちに、この問題を認識してもらう必要があります。障害のある人たちがより良い生活を送れるように、適切な教育や医療など必要としているものを提供する必要があります。父親を失い暮らしている人も、家族の多くを失った人もいます。家族のうち、たった一人だけが生き残った人もいます。二人だけが生き残った家族もいます。そのため、私たちの目標は、彼らの声を、政府や関係当局へ届けることです。
ディバス・パリヤール: 現在までのところ、障害のある人が洪水の被害を受けたという話は聞いていません。現在、障害のある人たちは、ほぼ皆、カトマンズにいます。何人かの人にも尋ねましたが、障害のある人が洪水の被害を受けたという話は、現在まで聞いていないということでした。私たちは、障害者団体を運営している人たちや、関係機関の人たちにも、常に質問しています。
ラメシュ・カトリ: 1年前にも、8bitNewsはネパールのZ世代による運動を取り上げてくれました。ネパールの政治も、別の局面へと変わりました。しかし今、ネパールは自然災害に直面しています。資金や人員などが不足しているため、すべての地域を取材できているわけではありません。しかし、私たちはできるだけ近くから状況を見守り、すべてを見ています。そして、得られた情報を私たちのコミュニティーに伝えています。さまざまな国や海外のメディアが、ネパールの被災者を支援しています。また、ネパールの声にも耳を傾けてくれています。国際的なメディアに対して、地球温暖化に関係するこの問題を取り上げてほしいと求めています。なぜなら、ネパールは、この問題による被害を非常に早い段階から、繰り返し受けている国だからです。
司会: 今回の土砂流による被害を避けることは、非常に難しかったと理解しています。一方で、地震や台風など、ほかの災害の場合にも、障害のある人たちが避難情報や必要な支援を確実に受けられるようにすることは、難しい場合があると思います。障害のある人たちを包括した、よりインクルーシブな防災や災害対応を実現するためには、何が必要だと思いますか?
ミトラ・バラル: 災害に対応するうえで、情報は常にとても重要です。ネパール政府も、そのことを理解していると思います。しかし、新しい政府においても、情報伝達の仕組みは不十分だと思います。そのため、すべての問題にできるだけ早く対応できるように、情報システムを最新のものにする必要があります。ですから、情報はとても重要だと思います。また、政府が適切なデータをできるだけ早く提供してくれることを、私たちは願っています。
司会: 日本の人々や、世界中の人々に、この災害について何を知ってほしいですか?
ミトラ・バラル: この災害の主な原因は、地球温暖化です。地球温暖化は、どこか一つの国だけの問題ではありません。これは世界全体の問題です。ですから、世界中の市民である私たち一人ひとりが、常にこの問題を意識しなければなりません。そして、私たちの新しい世代、次の世代を守らなければなりません。なぜなら、その影響を受けるのはヒマラヤだけではないからです。ヒマラヤの降雪量が大幅に減少すれば、生態系全体が崩壊します。そのため、すべての国が、この問題を常に意識する必要があると思います。また、社会活動家や環境活動家も、この地球規模の問題について声を上げなければなりません。そして、8bitNewsのようなメディアにも、こうした問題を取り上げてほしいと思います。私たちも、この問題に取り組んでいます。私たちは今回の災害を通して、この問題を深く理解しました。
ラメシュ・カトリ: 8bitNewsのすべての視聴者のみなさん。この地球を守り、地球を救うことは、私たちの責任です。二酸化炭素の排出を減らし、地球温暖化を食い止め、地球を守らなければなりません。世界中のすべての人々に、そのことを求めます。
ディバス・パリヤール: 多くの子供たちや人々が貧しい状況で生活しています。そうした人たちは、今回の災害によって、さらに大きな苦しみを抱えています。そのため世界中の人々に支援を求めます。もし可能であれば、どのような支援でも構いません。そうした人たちが生活を続けられるように、支援してほしいです。亡くなった家族を取り戻すことはできません。それでも生きていかなければなりません。心から、本当にありがとうございます。そして、8bitNewsに心から感謝します。
概要(動画説明欄より)
2026年8月26日に、ネパールとチベット自治区の国境付近で発生した土石流を伴う洪水からきょうで2週間。未だ、5000人以上が行方不明の中、ネパールで障害がある人たちの取材・発信を続ける独立系メディア「Parapulse Nepal」のジャーナリストで、グローバルネットワーク「BEACON」発信者のミトラ・バラルさん、ディバッシュ・パリヤールさん、ラメッシュ・カトリさんに話を聞いた。
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