この動画の要点
- 2023年4月に勃発したスーダン国軍と即応支援部隊(RSF)の軍事衝突により、首都ハルツームを中心に深刻な人道危機が発生しています。
- 2018年から始まった民主化革命では、多くの若者が自由と正義を求めて犠牲になりましたが、その「希望」が現在の武力衝突によって脅かされています。
- 日本国際ボランティアセンター(JVC)は、紛争の影響を受けた南コルドファン州で、教育支援や井戸(ハンドポンプ)の建設を通じた地域再建を続けてきました。
- 水資源の確保は、乾季の農業を可能にし、食料自給だけでなく、紛争で分断された人々の帰還やコミュニティの融和に大きな役割を果たしています。
全文書き起こし
堀潤:坂根さん、あらためましてよろしくお願いします。今、坂根さんがいらっしゃるのはハルツームでいらっしゃいますよね。
坂根宏治(JICAスーダン事務所長):よろしくお願いします。朝の9時半頃から、銃撃の音が室内でも聞こえるようになってきました。市内各地で銃撃戦が行われるようになりまして、それがどんどん激しくなってきましたし、昼の12時過ぎには戦闘機も飛ぶようになってきました。
並木愛(国連WFPスーダン事務所):今回、日本に移動するにあたって、何人かから「ごめんね」というふうに言われたんですよね。最後、ポートスーダンから私が飛行機に乗るときに、同僚のスーダン人スタッフに電話をしたんですけれど、しばらく声が聞けないということで。そうしたら、「ごめんね、こんな国になってしまって」というふうに謝られたんですね。
坂根宏治:バシール政権時代は「ジャンジャウィード」という一つの武装グループでして、この武装グループがダルフール紛争のときに虐殺行為をした。金の採掘権を戦利品として、これまでの紛争の戦利品として、自分のプロパティとして、そういう金を貯めてきたと。それが一つの資金源となって、ロシアがウクライナに侵攻したのがありましたが、その前日にヘメティ氏はロシアを訪問して、今後の協力関係を話しているんですね。
堀潤(ナレーション):2018年12月、首都ハルツーム。30年続くバシール大統領の独裁に反対する市民が町で声を上げ始めた。富は一部の権力に集中し経済も混乱。人々の暮らしは困窮を重ねていた。静かに始まった市民の抗議行動は、瞬く間に首都全体に広がっていき、大きなうねりとなった。バシール大統領は即応支援部隊(RSF)を投入。暴力による市民への弾圧が始まった。市民は武器を持たない平和的な抗議運動を徹底。しかし、RSFによる「ハルツームの虐殺」が始まった。
犠牲者の母:息子は武器を持たない若者でした。彼の武器は「言葉」でした。自由、平和、そして正義。それは人間としての当然の要求です。人間が尊厳を持って生きるための、当たり前の権利なんです。自由、平和、正義。それは自然な権利なのです。
堀潤(2019-2020年、南コルドファン州カドゥグリにて):今から行くところは、紛争でみんな避難していた場所なんです。2014年頃から情勢が安定して、徐々に帰還が始まりました。特に最近、情勢の好転を受けて、去年ぐらいから帰還が大幅に始まり、カドゥグリなどの大きな町に避難していた人が自分の村に戻って、自分たちの生活を始めていっています。でも、そこでも水や教育など、基本的なインフラが不足している。これから村を再建していこうという、そんな村です。
JVC現地スタッフ:私たちは学校の外にいる子供たちのためにセンターを開いています。ここに来るまでに、学校に行っていないたくさんの子供たちに会いました。今、和平が近づいています。人々が村に戻ってきても、教育と水、これが最も重要なのです。
堀潤:自分の今の子供が、もっと早くこのチャンスを知っていれば、自分の子供たちもこのプログラムに参加させたかったと言っています。もし戻ってきたら、途中からでもこのセンターや他の場所で教育を受けさせたいと。
堀潤(ナレーション):この日は説明会。親たちからは様々な質問や要望が続く。子供たちが勉強を終えたら、家族を、そして地域を支えてくれる。スーダン全体を支えるパワーになってくれるように。そんな願いが込められている。
堀潤(ハムラにて):いつぐらいまで水があったんですか?11月ぐらいまで。こういうところに溜まった水を掬っては、生活用水にして使っています。粘土質というか、もう石のように硬いゴロゴロとした土です。ロバに乗った子供たちが水を運んでいますね。この子供たちが水を調達するには、地雷原を通り抜けていかなければなりません。ここからかなり離れた隣の旧ハムラという集落まで、ロバに乗って水を調達しに行きます。地雷原を通って水を運ばなければならない。
堀潤(農場にて):農場ですね!この大地に、ちょうど丘を登ったところに一角、畑があります。トマトです。乾いた土地で見ると胸がいっぱいになりますね。水があるから、こうしてできます。貴重なトマトです。水がないとこのトマトが育たないから、本当に水は重要だと言っています。長いホースなどがあればもっと栽培ができるので、そういうホースが使えたり、手押し車でもっと運べるようになればいいなと言っています。JVCのあの水のポンプができたことについてはどうですか?
住民:100パーセント、素晴らしいです。文句なしです。コミュニティからすごく近いので、今までは4キロ離れた地雷があるところまで行かなければならなかったのが、すぐ近くから水が汲める。すごく助かると言っています。もう一つ欲しいと言っていますね。
堀潤(ナレーション):そして、紛争で分断されていた家族が再会した。反政府勢力の支配地域で暮らしてきた姉が、9年ぶりに実家に戻ってきた。停戦により封鎖が解け、通行ができるようになった。引き裂かれていた家族が、涙を流して抱き合う。
再会した男性:今、とても幸せです。本当に幸せです。長い間、9年もの間、姉に会うことができませんでした。今、会うことができて、家族全員が本当に幸せです。
堀潤(学校にて):やっぱり教育というのは、子供たち、これから国を作っていく上でとても大切ですよね。教育がないと、ずっと戦争を繰り返してしまう。だから教育が重要だと。スーダン政府はなかなか教育の支援というのが全然足りていないので、こういう日本からの支援というのもすごく助かると言っています。
概要(動画説明欄より)
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