政界の異端児2人が新党を結成した。小沢一郎議員と山本太郎議員が共同代表を務める「生活の党と山本太郎となかまたち」だ。
両氏は新人と大ベテランの違いこそあれ、よく似ている。タブーに踏み込むためマスコミと官僚に嫌われるところが。
両氏が合意した政策は次の7点―
・反原発、被ばくゼロ
・消費税に反対
・集団的自衛権に反対
・辺野古埋め立てに反対
・TPP反対
・特定秘密保護法は廃止
・格差是正
安倍政権と霞が関とマスコミに嫌われる政策のオンパレードだ。言い方を変えれば、2人が生活者目線で政治を考えていることになる。
小沢氏と山本氏は2015年1月27日、国会内で記者会見した。公の場でのツーショットはこれが初めてだ。両共同代表は合体の意義を語った。
「太郎さんと一緒にやることで国民と直接のつながりを持っていければ、国民の意見を直接聞く機会も増えるのではないか」。小沢共同代表は期待を寄せた。
「数の世界の中で やれること と やれないこと を身をもって経験した。事実上干されていた。発言権がほとんどない状態だった。政党という形で発言権を高めていくことで皆様に貢献したい」。 山本共同代表も合体のメリットを喜んだ。
「イスラム国人質事件」は日本の政治が機能不全に陥っていることを露わにした。「政府が全力で(人質救出に)取り組んでいるのだから政権批判は不適切だ」という本末転倒の自粛が共産党にまで広がっている。
両代表は安倍首相が無能で永田町がいかに散々の体たらくであるかを指摘した―
小沢「安倍首相が大きな一線を越え、集団的自衛権の行使に事実上踏み出そうとしている・・・徹底的に論争すべき。(にもかかわらず)すぐ情緒論で口を閉ざすのは政党人として無責任で恥ずかしい」。
山本「安倍首相が日本の船長として ふさわしい のか? ISISから見てもこれ(中東での安倍発言)は日本の総意ということでよいのか? 新幹線、原発にいくらでもテロして下さいという状況にこちらからわざわざ入っていくようなもの。現政権の失策を追及する手は緩めない」。
小沢氏は民主党幹事長時代に仁徳天皇の「民の かまど に煙は立っているか?」という言葉をよく引用した。国民の暮らし向きを気にかけていたのである。
山本氏は自らのHPで「市民政党を作りたい」と抱負を述べている。
「1%」のために「99%」が血と汗を絞り取られる。安倍政権の下、人間味のかけらもない政策が着々と進んでいく。それに立ちはだかる庶民型の政党が永田町に誕生した。
「希望の星になれるよう精一杯やってゆく」。山本共同代表は力を込めた。
この国の庶民にとって「生活の党と山本太郎となかまたち」は、最後の望みと言ってよい。
田中龍作ジャーナルより転載
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