2018/03/02 政治
玉木雄一郎「希望の党」代表、定例会見 by 酒井佑人

2018年2月27日、「希望の党」玉木雄一郎代表が国会内で記者会見を行い、France10の及川編集長、ゲイレポーター、酒井佑人(27)は取材に駆け付けた。

 

1.冒頭発言

 

きのうは深夜まで与野党の幹事長、書記局長レベルの協議が行われました。また、けさも野党幹事長・書記局長会談を開催して、改めて与党に対して協議を求めましたけれども、与党はこれを拒否したと聞いております。われわれは、予算が衆議院で上がるかどうかという大事な局面を迎えておりますけれども、やはり問題となっている裁量労働制のデータの不備の問題、再調査は不可欠だと思いますし、この法案の中から問題となった裁量労働制、そして高度プロフェッショナル人材の部分については削除をする、これは撤回をするということは強く求めていきたいと思います。
与党に対してもどのような法案に対する対応か。昨日(2/26)、私は総理にも聞きましたけれども、明確な答えがないままになっております。データ精査するといっても、そもそも調査の手法そのものにやはり問題があるのではないかと思いますので、根っこからそもそも調査に問題があるのではないかと思いますから、精査に時間をかけること自体、私は意味があまりないと思っております。
併せて、今、財金の方でも非常に強引な運営が行われておりまして、かつての平成3年の地価税から数えて久しぶりの新税の創設が、国際観光旅客税法案という形で出てきております。これを4時間で通そうとしていますが、例えば前回、新税を検討した地価税の際には14時間以上の審議をしておりますし、参考人も入れてやっております。国民に新たな負担を求めるという新しい税でありますから、乱暴に行うことなく、しっかりと慎重な審議をぜひ行うべきだと思っています。
こうした中でいよいよ来年度予算案の採決ということが言われておりますけれども、きのうも質問に立って思いましたが、まず内閣、閣僚側に緊張感がありません。非常に残念だと思いますし、総理自身も総理席からやじを飛ばしたり、とても一国の総理とは思えない、極めて残念な状況が続いているということは極めて遺憾であります。また、働き方改革についても、どんどんデータの不備等が明らかになっておりますので、採決の環境は整っていないと思います。さらなる審議を求めていきたいと思います。
併せて、江崎大臣が体調不良によって大臣を辞するということであります。辞任はやむを得ないとは思いますが、新任大臣が福井照衆議院議員ということでありますが、新しい大臣が就任されたということでありますので、ぜひ大臣所信もしっかりお伺いした上で予算を通過させていくのが筋であろうということでありますから、いずれにしても、時間を取って来年度予算案の審議を継続すべきと思います。とても採決の環境が整っていないと思います。

 

【France10、及川編集長】

総需要不足の解消のために希望の党はどのような政策を掲げるのか。

去年の落選者に対して何か手当てをするとかということは考えておられるのか。

 

【玉木雄一郎代表】

総需要不足ということでありますけれども、一つは、きょう一部報道もありましたけれども、いわゆる若年層の消費が非常に低調です。比較的高齢の方の消費は伸びていますけれども、いわゆる子育てをしている世代、あるいはそれよりも若い世代の、本来お金があれば使うであろう層なんですが、賃金の伸びも非常に弱いということで、そういった働く若年層に対する支援ということが必要だと思います。ですから、われわれは今回の予算の組替も提案していこうと思っておりますが、いわゆる人への投資、教育負担の軽減でありますとか、こういったところに特に力を入れていきたい。あれば使えるという層に対してお金を使いたい。特にそういった家族政策に対する支援を強化することで、需要を喚起していきたいと思っております。
落選者に対する対応でありますけれども、これは一定の基準で判断をして、順次、支部長として選任をして、選任した人に対しては月50万円の活動費を出すということを既に決めて、一部10名程度の人には実行しております。それ以外の人についても、これからは個別の事情をよく聞いて、本人のやる気であるとか選挙区事情、地域での支援団体との関係などを総合的に勘案して選定をして、選定された方にはしっかりとした活動支援を行っていきたいと思っています。

 

【ゲイレポーター、酒井佑人】

奨学金の返済に苦しむ若者や親子破産が広がる中で一体何ができると考えているか。

 

【玉木雄一郎代表】

私は大学でもこの間何度か講演もさせていただきました。そうすると、やはり大学生、大学院生、奨学金という名前の借入金をして、一生懸命学業に励んでいる方も多いことはよく分かりました。卒業した途端に数百万円の借金を追って社会人として出ていくというのは、やはり若い人たちにとっては相当な負担になると思いますし、そういう状況で夢を持って働いてくださいというのも非常に厳しい状況だなと思います。ですから、例えば給付型の奨学金、これはもっと対象も拡大する必要があると思いますし、所得に連動して返済が認められるような、そういった奨学金についてもさらに拡充していく必要があると思っていますので、われわれとしては、大学の無償化ということができればベストですけれども、まずは返さなくていい奨学金の拡充といったことをこれからも進めていきたいと思いますし、併せて、これは与野党を超えて議論したらいいと思うのは、既に卒業された方で借金を抱えておられる、奨学金という名前の借金を抱えておられる方々の負担軽減についても考えていく必要があるのではないかなと思っております。

 

【France10、及川編集長】

井手英策先生のAll for Allという経済政策については、どのようにお考えか。

 

【玉木雄一郎代表】

非常に私は賛同できる考え方だと思っています。ポイントは、全ての人が受益できるために全ての人が負担をするというのがAll for Allの考えですけれども、その(前の)オールの中身と(後ろの)オールの中身ですね、つまり、多くの人に、全ての人にご負担をいただく負担の内容がどのような形で行っていくのか。その結果、全ての国民の皆さんに生活保障という形で提供できる給付等の内容が何なのか。こういったことをしっかりとこれから詰めていくことが大事だと思っています。今、そういった内容は社会保障制度調査会で検討をお願いしているところでありますけれども、私は、少し国会でも紹介をした、例えば高齢者向けの最低保障年金というものを全ての高齢者の皆さんに提供するというのを全ての皆さんにご負担をいただいて行うということになれば、高齢者向けオールフォーオールということをまず最初につくっていくということも一つのアイデアかなと思っていますので、ベーシックインカムといったような考えとも親和性があると思いますので、具体的なわれわれとしての考えはこれからしっかりと詰めていきたいなと思っています。

 

取材&文:酒井佑人(ゲイレポーター)

プロデュース :及川健二
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