2017/06/22 芸術
内山春雄「タッチカービング」

タッチカービングとは
生物学的に正確かつ精密に彫られ、姿や形を指先で触って確認し、記憶していく道具として作られた鳥の彫刻のことです。触ることを前提にして作られていますので、比較的丈夫で、鳥以外に余分なものは極力排除してあります。

ブラインドの方にとってのタッチカービングの役割
ブラインドの方は物に触って形を確認し記憶していきます。
触ったことのない物は見たことがないのと同じです。
パソコンが普及しブラインドの方にとって便利になりましたが、触察は生活を豊かにする上で欠かす事ができません。鳴き声で野鳥の世界を楽しんでおられるブラインドの方は多くいますが、最も触察しにくい世界でもあります。
そこで、鳥の彫刻を触察することにより、鳥の姿を記憶するための「タッチカービング」を考案しました。

物指し鳥のタッチカービングによる、盲学校での出前授業
日本には約500種の鳥が生息しております。
盲学校の授業で、鳥の世界への入門となる物指し鳥を、タッチカービングで触察して記憶しておくことは、その後の人生を豊かにする上で、役に立つものと思います。
たとえば、物指し鳥を記憶した人がウグイスの鳴き声を聞いた時、『大きさはスズメよりやや大きく、嘴と尾はハクセキレイに似ています』と説明を受ければ、おおよその姿を想像することができます。鳥に関する知識を増やしていく上でも、基礎となる物指し鳥を覚えることが重要で、それを可能にするのが「物指し鳥のタッチカービング」です。

ものさし鳥とは…
一年を通して声を聞くことができる身近な鳥で、大きさが違う5種類の鳥のことです。
これらを触察することにより、ほかの鳥について学ぶ時の基本的な知識を得ることが出来ます。
そして、教える側にとっても、説明しやすくなります。
①メジロ・・・一番小さな鳥、約10cm
②スズメ・・・もっとも身近な鳥、13cm
③ハクセキレイ・・・最近、都会で増えてきた鳥、20cm
④キジバト・・・鳴き声に特徴がある、30cm
⑤ハシボソガラス・・・おなじみの鳴き声、50cm

2011年、千葉県立千葉盲学校で、「ものさし鳥のタッチカービング」による、授業を始めました。
視覚に障害がある生徒にとり、野鳥は触ることが難しく、理解しにくい世界です。
タッチカービングで鳥の触感を伝えることはできませんが、形や大きさ、嘴の違い、羽根の名称などを説明することができます。鳥類学的に正確かつ精密に彫られているので、剥製を触察するより明確に形を伝えることが出来るという利点があります。

【内山春雄 プロフィール】
1950年岐阜県生まれ。
「楽堂」の雅号をもつ。日本職人名工会会員 現代の名工。日本バードカービング協会会長
木象嵌師・バードカービング作家
https://rakudo-bird.jimdo.com

プロデュース :秋元佐予

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