2017/04/04 文化
【あめぴょん】飴とコミュニケーション〜伝統飴細工とは〜

東京の下町、千駄木。こちらに、伝統飴細工の常設専門店舗として日本初となる「あめ細工吉原」があります。独自キャラクター「あめぴょん」を始め、動物などのさまざまな飴細工が甘い香りのする店内に並べられています。さながら芸術作品のようですが、全て食べられる飴なのです。

 

日本の飴細工の伝統は、古くは平安時代にまで遡ることが出来るとのことです。当時、お寺が建立された時に飴細工を供えたとされていますが、今見られるような複雑な飴細工ではなく、もう少し簡単なものだったと思われる、と言われています。文献に残るのは江戸時代からで、1600年代中頃の江戸の街並みを描いた本に、飴細工師が登場しているのが確認されています。

 

こんなにも長い伝統がある日本の伝統飴細工ですが、行商が基本のスタイルだったため、あまり目にする機会には恵まれませんでした。その状況を打破するために生まれたのが、常設専門店舗としての「あめ細工吉原」で、2008年に開店しました。設立した吉原孝洋(よしはら・たかひろ)さんのもと、数人の弟子が働いています。今回は、一番弟子である加藤妹子(かとう・まいこ)さんにお話を伺いました。

 

加藤さんは大学でガラス細工を学び、その後、飴細工の世界に飛び込みました。ガラス細工の経験を生かした飴細工を得意とし、現在では店の看板キャラクター、うさぎの「あめぴょん」はもちろんのこと、飴細工の新しいデザインなども企画製作しています。お客様とコミュニケーションを取りながら、その確かな技術でオーダーメイドの飴を目の前で作り上げていく様子は、さながらショーのようで、引き込まれるものがあります。

 

この記事に添付された動画では、加藤さんの肉声を伺うことが出来ます。飴細工とは何か、魅力とは、未来とは。そして、手早く「あめぴょん」が作られていく様子をノーカットでご覧いただけます。取材の時期がバレンタインデー直前でしたので、あめぴょんはチョコレートの飴を持っている特別バージョンです。

 

飴細工の修行をするとき、一番最初に習う形は、「うさぎ」です。「うさぎ」というモチーフには、伸ばしたり切ったりといった、飴細工の技術の基本が全て入っているからです。また飴細工の技術を支える「和鋏」も大切で、形はいわゆる「糸切り鋏」と同様ですが、もっと大きく、さらには職人ごとに、最も手に馴染みの良いものをそれぞれ用意しているとのことです。

 

意外なことに、あめぴょんが生まれたきっかけのひとつには、著作権がありました。飴細工をお客様に提供する際、アニメのキャラクターなどを請われることがありますが、店舗でアニメのキャラクターを作って渡す訳には行きません。著作権侵害になってしまうからです。でもお客様の喜ぶキャラクターを提供したい、それがオリジナルのあめぴょんが生まれた理由のひとつになります。

 

あめ細工吉原は、店舗をもうひとつ増やし、飴細工体験会を積極的に開くなど、飴細工の裾野を広げようと努力しています。加藤さんのように若い職人さんも増え、飴細工を目にする機会も徐々に増えて、伝統は続こうとしています。見る、食べる、そして参加する楽しみもある飴細工。そんな伝統飴細工の魅力を、ぜひ身近に感じていただきたいものです。

 

あめ細工吉原

 

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プロデュース :西村晴子

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