2015/11/22 公式動画
シリア難民への対応で再び注目されるアメリカ日系人強制収容所の歴史

パリで発生した同時多発テロを受け、米国ではシリア難民の受け入れを拒否するべきだという世論が一気に高まった。

テロ発生前から受け入れ拡大を表明していたオバマ大統領は「難民の受け入れを拒否することは我々の最も深いところに根ざした価値を裏切ることになる」と語り、シリア難民の受け入れ拡大をあらためて表明した。ところが、野党共和党の議員達はオバマ氏の姿勢に反発。大統領選出馬を表明している共和党のテッド・クルーズ上院議員は「市民をテロの脅威から守るためには受け入れは拒否するべきだ」とオバマ大統領を強く非難。「シリア難民受け入れ停止法案」が議会に提出され下院で可決された。さらに、ニューヨークタイムズの調べによると、全米50の州のうち26の州知事がシリア難民の受け入れに反対する姿勢を示し、対立は強まっている。

CUOEVcEUAAEWlEDそうした中、西部ワシントン州のインズリー知事は18日、シリア難民の受け入れは必要な措置だとした上で、第二次世界大戦中の日系人強制収容政策の過ちを繰り返してはならないと訴えた。一方で、バージニア州ロアノーク市のバウアーズ市長は当時の日系米国人と同様、シリア難民の受け入れは米国にとって脅威だと発言し批判を浴びた。

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バウアーズ市長は20日、当時の日系米国人がテロリストと受け取られかねない発言だったと陳謝した。

いま再び注目を集める日系人強制収容所。米国人たちはこの問題とどう向き合ってきたのか。カリフォルニア州に現存する当時の収容所跡地「マンザナー」を訪ねた。

 

ロサンゼルス市街から北におよそ200キロ。砂漠を抜け、青い空を突き刺すように切り立った岩肌むき出しの山々にかこまれた谷間の地に施設はある。

1941年12月、日本軍によるハワイ真珠湾攻撃ではじまった太平洋戦争。日米開戦を受け、直ちに全米10箇所に強制収容施設がつくられ、敵国にルーツを持つ11万人以上の日系人たちが大人から子どもまで男女を問わず住まいを追われここに集められた。

マンザナー強制収容所にはロサンゼルスなどから1万人以上が収容され、戦争が終わるまでの間、差別と偏見にさらされながらここでの生活を強いられた。戦後、10箇所の収容所の多くが解体されたが、マンザナーは国定公園に指定され、収容所内にあった建物の一部が戦争資料館として今も当時のまま保存されている。

CUOEVcEVEAA_zKy 資料館に入ると、おかっぱ頭の黒い目をした少女が憂鬱な顔でこちらをみつめる大きな白黒写真が掲げられていた。奥に進むと写真やパネル、当時の生活を伝える服や日用品など、現物の展示が並ぶ。メインゲートのパネルには「なぜ、私たちは差別をしたのか?」というタイトルが記され、当時、米国人がどのような言葉や態度で日系人を差別し、蔑んできたか、当時の時代背景と共に解説が続く。「ここは白人の地域だ、JAP(ジャップ:日本人の蔑称)は出て行け」という大きなパネル写真には「こうした差別は間違っていた」という説明が添えられ、謝罪やもう二度と繰り返してはならないという決意のメッセージがそこに込められていた。

館内を撮影していると、子どもを連れた男性が入館してきた。機会があれば近所の子どもを連れて度々ここを見学しているという。「子どもたちに事実を教え、よりよい未来をつくってもらいたい。敗戦から這い上がって成長した日本人に敬意を感じている」と語った。その後もこの男性と同じように子どもを連れて熱心に展示を解説して回る白人たちの姿が後を絶たなかった。

さらに、この施設では収容された人たちの名前や年齢、出身地などを全てデータベース化して公開している。職員に照会を頼めば親身になって家族や友人の名前がないか一緒に探してくれるのだ。私がいる間も、日系人の女性が職員と顔をつきあわせながらパソコンの端末を覗き込んでいた。家族の名前を探しにここを訪ねたという。「死んでしまった自分の家族の名前を探しに来たの。どんな思いで生き抜いたのか、少しでも想像したかったから」。

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過ちを繰り返すことがないよう人々の記憶を風化させないアメリカ国家の取り組みが陸の孤島で続いてきた。今回のパリ同時多発テロを受け、アメリカはシリア難民とどう向き合うのか。70年の取り組みの真価がいま問われている。

プロデュース :horijun

Comment

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  • くるしま 2015-11-22 11:17:51
    今回のパリの出来事に限らず、戦後70年間の、その多くは宗教戦争が根底にあると思っています。
    日米との太平洋戦争は宗教戦争ではありません。日清戦争、日露戦争もしかりです。
    先日、東京タワーなどがフランスの国旗カラーを点灯しましたが、今の日本は残念ながら、肉食人種でもある白人の人種、宗教支配戦の加担者になってしまっているのかもしれません。日本は農耕民族のDNAに育まれた神道民族と表現できるとすれば、「日本の国旗を半旗」で掲げ、フランスに対してだけではなく、シリア国民の人々に対しての追悼の意を心から現したいです。
    従って、表題のアメリカにおける日本人強制収容の史実を、今世界で起きているテロと同じ次元、視点でしか議論ができないアメリカは、所詮、250年の歴史しかない大陸侵略により建国した国の正義を建前にした白人至上思想が根底にある思考の様に思えます。
    結婚式を、神社!や教会!で。
    葬式は仏教で!。日常生活は、神社で神頼み。
    これらがごく普通の我日本人を、西洋人に理解できない限り、彼らは今後も、宗教戦争に巻き込まれるか、巻き込んだ地政戦争を続ける宿命を持っていると思っています。
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