2015/10/11 国際
ネパールから最新情報「進まぬ復興と更なる打撃」: 燃料不足が深刻化

ネパールの10月は乾期で空気が澄みわたりヒマラヤが美しく見え一年で最も人々の移動が多くなります。観光客の数も多く、ネパールのカレンダーではお正月となり地方からカトマンズへ出稼ぎに来ていた人々は村々へ帰省し、留学や出稼ぎで海外にいる人々は家族との正月を迎えるために帰国します。

例年であれば観光客でにぎわい正月気分で賑わうはずのカトマンズですが、今年の秋は様子が違います。ネパール全土で石油製品が不足し、人々の主な移動手段であるバスを始めタクシー等すべての交通機関に支障が出、航空機においては「中国南方航空」「中国東方航空」が欠航するなど空の便への影響も出ています。
そのほか既に幾つかの学校ではスクールバスが運行できないことを理由に休校するところも出始め、市民生活に多大な影響が出ています。
電力に関しても元々発電所不足により電力事情も悪い為毎日6時間から8時間の「計画停電」が行われており、多くの場合自家発電機等でそれを補っていますが燃料不足でそれもままならず製造業へのダメージも。
数日前からようやくわずかですがインドからのタンカーがネパールに入ってきていますが
緊急、公共の利用に限られておりそれを賄うにも到底足りる状況ではなく一般市民の下へ届くのはまだまだ時間がかかる見込みです。

そもそもこの事態がなぜ起きたのかといえば9月20にそれまでの暫定憲法に替わり7年ぶりに交付された新憲法に端を発しています。

ネパールでは2006年それまでの政治的対立による内戦に終止符が打たれ、2008年から制憲議会による新憲法の制定が進められてきました。しかしその作業は政党間の対立により混乱を極め幾度となく期限を延長し、ようやく今年9月20に新憲法が公布されました。しかし新憲法の内容を巡り変更を求めるインド系住民(被差別民族)の一部勢力が隣国インドとの国境を封鎖し物資の輸送を阻止し激しい抗議活動を行っています。これについては憲法案作りそのものに介入してきたインドが後ろ盾になっているといわれていますが、インド政府の正式なコメントはありません。
ネパールは東西南をインドに囲まれ政治、経済、文化、あらゆる面においてインドの影響を色濃く受け、資源を持たない内陸国である為資源その他を隣国インドに頼るしかありません。その為常にインドの介入を受けてきましたが、ここにきて国の要である憲法制定についても露骨な介入が行われその為に市民が多大な影響を被っているのです。

インドとネパールは「インドがくしゃみをするとネパールが肺炎になる」とまで言われているほど密接なつながりを持ちながらその関係においては歴然とした優劣があり国力の違いは大きく、従わざるを得ない立場にあるといっても過言ではありません。またインドにとってもネパールは小国とはいえその変化により多大な影響を受ける存在であり看過できずといったところです。
報道で言われているようにインドが背景にあるとすればこれは明らかな内政干渉なのですがこれに関して国際社会の関心は極めて薄い状況です。

4月に大地震に見舞われそこからの復興も遅々として進まず、地方の人々はいまだトタンの仮設小屋に暮らしており、これから気温が下がる冬をどう乗り切るのか差し迫った問題を抱えながら同時にこのような問題が起きているということ、復興のために不可欠である観光セクターへの更なる打撃によりネパール経済が疲弊していること、これらを私達は「復興支援」と同時に考えていかなければなりません

参考
日本経済新聞
ネパールで新憲法公布 州連邦制、7年かけ制定
2015/9/21 1:16

プロデュース :内藤純子

Comment

コメントは管理者が承認後に表示されます。

  • Abee 2015-10-12 10:46:34
    すみませんが 今ネパールでお正月 での 時期 では ありません。お正月じゃなく 国の国民的な 一番大きな 「ダッサイ」 と 言う お祭りの 時期です。日本と言えばお正月の存在では あります。。海外とか 家族から遠く離れて暮らしてる皆さん必ずでも帰国する時期、これ以上の現在の状況は正しいです。この全ての原因がネパールがインドが言う通りしないで インドよりも より良い 憲法の公布された 為 インドと言うその国がワザワザ 起こした 事で ある。どうも ありがとうございました。
Page Top