2015/08/11 政治
【広島8・6】ルポ③安保法制推進派・日本会議広島主催イベントで語られる「平和」

1945年8月6日に原爆が投下された広島では、平和式典が行われ、世界中の人が広島を訪れた。8月26日から28日の日程で、第25回国連軍縮会議も広島で行われる予定。70年前に核兵器が人類に対して使われた事実を、実際に原爆が投下された街で再認識し、やっぱり平和が最高だ!というムードが圧倒的な中、一方で、安倍政権をサポートする日本会議広島は、「反核70年の失敗 第7回広島8・6平和ミーティング 〜憲法9条は中国軍拡も北の核兵器も止められなかった〜」という講演を8月6日に広島のリーガロイヤルホテルで開き、支持者が会場に集まった。

 

 

メインスピーカーだったジャーナリストの櫻井よしこさんは、アメリカは変わりました、と憂いを示した。アメリカという国は、オバマ政権に変わってから、軍事に力を入れる「世界の警察」ではなく、福祉国家としての道を歩むために方向転換した。だから日本は自立しなければならないと説いた。櫻井さんは、ロシアがクリミアを併合したこと、中国が東シナ海での軍事支配を強めていることなどを理由に帝国主義を批判したが、日本の同盟国アメリカの帝国主義は批判しなかった。

 

 

2013年10月17日headlines.yahooによると、2003年から2011年の間のイラク戦争による犠牲者は推定50万人。結局大量破壊兵器は見つからなかった。

 

 

「中国人は中国共産党の支配の元で幸福でしょうか?私は幸福ではないと思う。水も空気も汚染され、汚職がはびこり、公正な裁判も受けられない。そんな国民を幸福にできない共産党が、どうやってアジアの大国となり世界の大国となって、偉大なる中華民族の復興を掲げて中国の価値観で世の中を治めてゆこうというのか、理解できないと思います。アジアの人たちはこれを一番よく知っています。だから彼らは言うんです。日本よもっとしっかりしてほしい。我々の為に中国に対してのバランスをとる国であってほしい。誰も日本と中国に戦争してほしいなどと言っていません。私たちも戦争はしたくない。してはならないと思う、けれども、私たちが戦争してはならない、軍事力にものを言わせて他国の領土を取る事は許されないと言っても思っても、それを実行する国があるんでしょ。だから島が取られる。国土が取られているんでしょ。だからアジアの国々は日本がもっと強い力を持って、強い意志を持って、中国に対しての止める力、抑止力になってほしいと言うんです」と櫻井さんは言った。

 

 

日本大学教授の百地章さんは、「憲法9条が平和を脅かす ー今こそ9条2項の改正をー」というテーマで講演。

 

 

「現在最大の政治課題となっているのがこの集団的自衛権であります。そしてその後ですね、やはり我が国の防衛と安全保障本気で考えるならば、やはり憲法9条2項を改正するしかないという話ですね。さてこの集団的自衛権ですが、マスコミの中に先ほど櫻井先生が色々おっしゃったように『戦争法案』だとかですね、異常に過敏する、あるいはデマに属するような情報がたくさんありましてですね、国民もまだまだ十分に理解していない、誤解している人たちも多いと思います。政府の説明も必ずしも十分だとは私は思いません。第一説明の仕方が十分でなかったと思うんですね。…すみやかにこの安全保障法案を成立させないと、次の我々の本来の目的である憲法改正に取りかかることもできません。また憲法改正は手続き上いろいろ難しさがありますから簡単には変えられない。しかし、この安全保障法制であるならば、従来の政府見解を変更するだけで、もちろん憲法の枠内でのことですけれども、変更するだけでですね、法律ですから、時間的にはですね、短期間にこれが達成できると。速やかにこの法案を整備する必要があるということであります。ところがみなさんご存知の通り、あの6月4日の衆議院の憲法審査会に呼んだ参考人がですね、しかもこともあろうに自民党が呼んだ参考人までが、あの法案を憲法違反であるとしたものですから、大変なことになりました。で、野党やマスコミをすっかり勢いづけてしまったわけであります」と今の改憲派の状況を語った。

 

 

元航空幕僚長の田母神敏雄さんも講演。「よく憲法との整合性がないと野党とか左巻きが言うんですけれどもですね、憲法と法律の整合性以前にですね、憲法が国民生活と整合しているのかというのが問題だと思うんですね。国民生活を守れないような憲法を放置しておいて、そしてその憲法に法律を整合させるっていったら、これはほんとにむちゃくちゃになっちゃうと思うんですね私は。国を守るということはですね、憲法なんかより当然優先するわけですよね。そういう意味では解釈を変えてやるというのは間違いなく合理的だと思います。しかもこの安保法制、それから総理の靖国参拝、こういったことはよその国ではみんな普通にやられている。でも日本にだけできないんですよね。なぜか?中国や韓国が文句言う、最近ではアメリカまで文句言うということでですね、なんかできないわけですよね。もしこの安保法制が成立をしないということになると、中国や韓国はですね、日本は圧力をかければ必ず言う事を聞くというふうに判断をするわけですよね。もっともっと日本に対する悪さが起こるようになると思います。ですから、安保法制が成立をし、また総理の靖国参拝が実現するとか、そういうことになっていって初めて日本は変わったなと、もうむちゃくちゃ言っても駄目だなというふうにですね、あのバカ中国とかバカ韓国がですね、判断すると思うんですね」と田母神さんが言うと拍手が沸いた。

 

 

 

広島では原爆が投下された8月6日に平和式典が行われ朝8時15分に黙祷。過去最多の100カ国の海外代表者が参列。平和宣言で松井一賓市長は安保法制には言及なし。

 

 

長崎では8月9日に式典が行われ11時2分に黙祷。長崎でも過去最多の75カ国とEUの代表が参列。田上富久市長は福島の原発事故にも5年連続で言及するとともに、安保法制にも言及。

 

 

「長崎は9日、被爆から70年の原爆の日を迎え、長崎市の平和公園で長崎原爆犠牲者慰霊平和式典が営まれた。田上富久市長は平和宣言で、長崎や広島の被爆だけでなく、空襲や沖縄戦、アジアの人々を苦しめた悲惨な戦争の記憶を語り継いでいくよう呼び掛けた。安全保障関連法案についても言及。『憲法の平和の理念が、今揺らいでいるのではないかという不安と懸念が広がっている』と述べ、慎重で真摯な審議を求めた。広島市の平和宣言は言及しておらず、両市で違いが出た。」(8月10日の中国新聞より引用)

 

 

 

 

2015年8月11日、鹿児島県の川内原発が再稼働。約2年間の原発稼働ゼロ状態後、日本で最初の再稼働が行われた。

 

 

 

 

日本国憲法 第二章 戦争の放棄 第九条

 

 

①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 

 

②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

 

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プロデュース :蜂谷翔子
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