2015/02/27 政治
【与那国島住民投票】ルポルタージュ⑤久部良という集落と自衛隊のレーダー基地の物理的な距離。中立の与那覇町議の思うところ

約1500人の島民の住む、日本最西端の与那国島の自衛隊沿岸監視部隊の配備の民意を問う住民投票の結果は、賛成が632票、反対445票で、誘致賛成派が多数。

 

 

 

 

このまま住民投票以前から始まっていた工事が進められれば、日本の西の端で、レーダー基地が船や飛行機の監視を始める。レーダー基地は久部良の集落の丘の上にあり、集落から徒歩10分弱。建設予定地からは小さな集落がすっぽり見下ろせる。

 

 

レーダーについては電磁波による健康被害を心配する人、攻撃のターゲットになることを心配する人、電磁波による健康被害は嘘だと断言する人、特に言及しない人、防衛の為に必要と言う人、防衛の為ならむしろミサイルでは?と言う人、不審船などに対応するのは管轄から言って自衛隊ではなくて海上保安庁のする仕事だという人など様々。ただとにかく距離としてはとても近い。

 

 

工事の起工式が行われたのは2014年の4月19日。小野寺五典防衛相が来島。式典でくす玉が割れた。一面緑だった丘の上は今は茶色い地面をさらしていて、久部良の集落にいると丘の上から工事の音が聞こえる。

 

 

 

 

去年の9月の投票率が97.14%だった与那国町の町議会議員選挙で、町の民主主義の勢力は逆転した。自由民主党3名、無所属3名が当選。6名の町議会議員の中から1人議員を出す。議長を出した方が議会では少数派になる。くじ引きで自民党の糸数健一さんが議長になり、自衛隊誘致賛成派の自民党の勢力が議会の中で弱くなった。それから野党の議員達は自衛隊誘致の準備の為に必要な、工事の敷地内を通る「町道の廃止」などを議会で否決して誘致を阻止しようとしてきた。

 

 

しかし、住民投票が終わった後、議会の承認を得られないので沖縄防衛局が工事現場を迂回する、町道の代わりになる代替道路をつくってしまっていたことがわかった。

 

 

しかし「駐屯施設に水道を引き込む簡易水道事業の給水施設整備費」も議会の承認を必要とするので、野党の議員たちは否決する構え。

 

 

 

 

中立の立場をとっている無所属の与那覇英作さんという町議は、約3年前に与那国島に帰ってきた。

 

 

「自衛隊の問題1番大きく取り上げられてるですけど、それ以上に与那国もっとやらんといけないことがあるんです。」と彼は言う。

 

 

「というと?」

 

 

「町長派の4、5名で与那国町を牛耳ってるような政治やってるもんだから、そこを直したいです。」

 

 

「以前は違ったんですか?」

 

 

「聞く限り、私もまだ3年目なんですよ帰って来て。昔はそう言う話はあんまり聞かなかったですけど。みんな島の人は今はやり過ぎだと言っています。」

 

 

「自衛隊の話が最初に出た時の島の方々の反応とかは覚えていますか?」

 

 

「(自分は当時島にはいなかたけれど)ただ帰ってきて住みにくいなと思って。」

 

 

 

 

島の政治は動いている。

プロデュース :蜂谷翔子

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