2014/04/01 国際
【太陽花学運】台湾の学生運動主催のデモに50万人の台湾市民が参加:立法院の占拠は続行

現在台湾の立法院(日本の国会にあたる)の占拠を続行している学生運動、太陽花学運が30日に行ったデモには50万人の台湾市民が参加し、大きな成功となった。デモ当日、人々は学生達の呼びかけに応えて黒い服を着て総統府へ向かった。

午後1時頃、デモの開催地の最寄り駅周辺では、黒い服を着た人々、ひまわりの花を手に持つ人々、黄色いはちまきをしている人々が大多数を占めていた。Taipei Main Station駅構内の出口8周辺には長い列ができ交通整備が行われるほどの群衆だった。

総統府前周辺の道路はケタガラン通り以外も黒い服を着た人々で埋め尽くされ、四方八方から演説や人々の声が響き、あたりは民衆のざわめきで満たされた。楽しみにしていた休日のイベントに来たという感じで、人々の表情は明るく愉しげで深刻さや悲壮感はあまり見られない。年齢層も幅広く、学生以外の層からも運動は支持されている。人々はシュプレヒコールをしたり、サービス貿易協定反対、馬英九総統の批判や民主主義を求めるフレーズを誰かが叫ぶと力強く復唱した。

7時頃、デモのメインステージではバンドによる立法院の占拠後に書かれた曲の演奏や台湾芸術大学の学生が製作した映像が披露された。人々は音楽にあわせてケータイの明かりをかざして手を振ったり、拍手や歓声を送った。立法院を占拠している学生達が運動の為に書かれた曲を大合唱している映像が流れ、会場は一体感に沸いた。

学生運動のリーダーである林飛帆もステージに姿を現した。「今日私たちは歴史を書きました」と彼は演説を始めた。歴史というのは立法院を占拠したことではなく、台湾の政府と民衆の体勢について深刻な反省をすることができたことです。この運動の成果は誰か一人のものではなく、立法院を今も占拠している人々、今日のデモに参加した人々、全ての学生、全ての国民のものです。国民はこの国の総指揮です。馬英九さん、どうか人民の指揮を受けて下さい。国会を国民に返して下さい。今日の50万人が参加したデモは素晴らしいもので私たちは新しい歴史の1ページを開くことができましたが、これは終わりではありません。馬総統はやさしい口調で語っていましたが、記者会見の答えの内容は具体的ではなかった。だから私たちは占拠を続けます。私たちの要求を馬総統が聞き入れるまで、占拠はやめません、と林氏は学生運動の立場を明言した。

林飛帆は、台湾の国民の集団意識をまとめることがこの運動の1つの目的だと言う。「皆さん、周りの人の顔を見て下さい。皆連絡先を交換して下さい」と林氏が言うと笑いが起こった。「笑わないでください(笑)。7人の友達とグループを組んで、週に一度立法院に来て下さい」と運動への継続的参加を促した。

「皆さん手を上げて下さい」と林氏が呼びかけると、群衆は皆空に拳を突き上げた。林氏のかけ声を復唱する民衆の声が台北の夜空に響き渡った。デモは夜8時頃に解散。

台北時報が29日に掲載した世論調査によると、63%が占拠を行っている学生達は民主主義を支えていると答え、19.6%が学生達は民主主義のシステムを危険に晒していると答えた。学生運動が始まって以来、馬英九総統を信頼していると答えた回答者は16.9%、約70%の学生が馬総統を信頼しないと答えた。馬総統の支持率は2008年の就任以来最低となっている。

現在も占拠は続いている。

 

プロデュース :蜂谷翔子
Comment

コメントは管理者が承認後に表示されます。

  • 豊美 2014-04-04 20:44:10
    加油民意!加油民主主義!
Page Top