2018/03/08 公式動画
voice 〜私のMe too ストーリーとそれから〜

2017年の秋、アメリカでMe tooのムーブメントが巻き起こり、日本でも1人の若い女性が勇気ある告白をして大きな話題となりました。けれど、その後にやってきたのは大きなバッシングの嵐…。

私はその様子を恐怖を感じながら見ていました。というのも、ちょうどその半年前の3月に私も動画を通じて自分の被害体験をカミングアウトしていたからです。

「市民メディア」という言葉に憧れて、私は4年前から「毎日女性会議」(現在は「毎日ビデオジャーナリズムラボ」)に通っていました。
そこでは、「小さい主語で話す」ことの大切さや、「小さな主語の持つ力」が強調されていました。また、大きなメディアでは語れない、自分にしか語れない話を発信することの意義を教えていただきました。

でも、正直なところ「無名の私の話なんて、誰が耳を貸すのかしら?」という疑問が…。

それに自分の話をするのはものすごく勇気がいる…。
小心者の私は、作品の中に自分のカラーを出すことがなかなかできませんでした。

3年近く「もっと自分を出して!」と言われ続け、ようやく自分の体験をもとに制作したのがこの作品です。
性暴力がテーマなので、発表するまでは、ものすごく勇気が要りました。けれどいざ発表してみると、思いもよらなかった反応がありました。

1番驚いたのは、何人もの友人達から「自分も被害者だ」とカミングアウトされたこと。何年も前からお互いのことを知っていたのに、それぞれの秘密についてはそれまで話した事がありませんでした。
まさか、自分の周りにこんなに被害者がいたなんて。それは、大きな衝撃でした。

また、「被害に遭った人達への支援を充実させたり、相談しやすい社会にしないといけないと思った。」「自分が悪いんだと被害者が思わなくていいように、みんなの意識を変えていきたい。」といったポジティブな感想をもらえたのにも驚きました。

性暴力は憶測や偏見で語られることが多く、被害者が責任を問われることも少なくありません。それを知っていただけに、私も自分の体験を長い間話すことができませんでした。
でも、こうした感想を聞いているうちに、私にも「社会は理解してくれない」という偏見があったことに気がつきました。伝えれば響く、それは私にとってのパラダイムシフトでした。

とは言っても、まだまだこの問題について、知らない人が多いのも事実です。
冒頭に述べたように性暴力の被害者が声をあげてもバッシングが巻き起こってしまうこともあります。
私も怖くなってこの動画を一度は削除しようと思いました。
けれど、この問題をもっと広く知ってもらわない限り今の状況は変わらないと思った時に、このまま黙っているのは嫌だと思うようになりました。

どのような問題にも「知っている」と「知らない」の間に壁があり、その壁を越える架け橋を、動画というツールで作りたいと思い、私は友人達と「TOKYO WOMEN’S FILM FESTIVAL」という団体を立ち上げました。
1人の発信は小さな波紋のようなものかもしれないけれど、それが少しずつ広がって大きな波紋にできるように、伝えたいという思いを持つ人を応援していきたいと思います。

新たなプロジェクト、もうすぐ発進です。
https://www.twff.info/

プロデュース :DiasMiwako
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