2014/05/10 国際
絶倫大統領の破局報道で分かる仏メディアの変容

○オランド仏騒動に一言 by

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及川健二(France10記者)○

2004年-2006年に私がパリで”修行”していた折、フランス社会党の第一書記(党首)は、現在浮気騒動の渦中にあるフランソワ=オランド大統領だった。取材先で一緒になることがままあったからか、昨年6月にオランド大統領が国賓として来日した祭には、在日フランス大使館で催された歓迎レセプションに招待された。以前に撮ったオランドさんの写真をご本人に手渡した。

映像は大使館レセプションにおけるオランド大統領の挨拶を私が撮ったものだ。

ニコラ=サルコジ前大統領は2007年春に就任するや離婚した。セシリア前夫人は大統領選の最中行方をくらませ、投票せずに遊ぶ姿がスクープされ、就任前に二人のぎくしゃくは露呈した。

2007年大統領選ではセゴレーヌ=ロワイヤル・前国民議会議員が社会党候補だった。2006年1月31日に国民議会でロワイヤルさんに私はインタビューした。ロワイヤルさんの当時パートナーはオランドさん。フランス国立行政学院(ENA)で二人は同級生で、70年代から事実婚関係にあり、4人の子どもをもうけている。大統領選後にロワイヤルさんが離縁したことを明らかにした。オランドさんの浮気が原因だった。彼女が大統領選に挑戦したのは、他の女にかまける夫(当時は社会党トップ)を見返すためだったとも指摘されている。

さて、フランスのみならず世界的な醜聞になっているオランド大統領の離縁騒動。フランス国営放送は2014年1月26日20時からの看板報道番組で、オランド大統領と女優との浮気が発覚以来、寝込んでしまった事実婚相手バレリー=トリルベレールさんと大統領が離縁したと大きく報じた。ヘルメットをかぶってスクーターにまたがり、女優宅に足繁く通う姿が写真誌に載ったのだから、胸中を察するにあまりある。

そもそも、フランスは「政性分離」の国であった。政治家の下半身・プライベートは報じないという不文律があった。ただ、サルコジが大統領に就いた2007年以降、徐々にだが、それは変わりつつある。

Pierre Moscovici経済財政大臣が26歳の女学生Marie-Charline Pacquotさんと交際中であることを昨年Le journal du dimanche紙がスクープし他メディアも追随した。

オランド大統領の”絶倫”ぶりによって、フランス・ジャーナリズムの変容が世界に広く知らしめられ、ファーストレディの役割が議論なされるようになったのは慶ばしきことかな。

プロデュース :及川健二
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